ものがたり
2021年

博物館の数1位は長野県341館。最下位和歌山の8.1倍、東京は3位。

公開日: 2026-05-05
#博物館#長野#北海道#東京#文科省
博物館の数1位は長野県341館。最下位和歌山の8.1倍、東京は3位。

博物館の数1位は長野県341館。最下位和歌山の8.1倍、東京は3位。

博物館の多い都道府県と聞くと、東京都が頭に浮かぶ人は多いだろう。

ところが、文部科学省「社会教育調査」令和3年度(2021年)の表95「種類別博物館数」(登録博物館・博物館相当施設の合計、全国1,305館)と表123「種類別博物館類似施設数」(全国4,466館)を都道府県別に合算すると、1位は長野県の341館(博物館83館+類似施設258館)。2位北海道334館(66+268)、3位東京都309館(113+196)、4位愛知県219館、5位新潟県207館。

長野県は東京都を32館引き離して全国1位。最下位は和歌山県の42館で、差は8.12倍にのぼる。

長野341館、北海道334館、東京309館

博物館数ランキング 2021年・上位10県+最下位

上位10県を並べると、面積の大きい県と大都市県が混在する。

順位 都道府県 博物館数
1位 長野県 341館
2位 北海道 334館
3位 東京都 309館
4位 愛知県 219館
5位 新潟県 207館
6位 岐阜県 198館
7位 静岡県 193館
8位 兵庫県 184館
9位 神奈川県 165館
10位 京都府 146館

1位長野と2位北海道の差は7館で、ほぼ同水準。3位東京都はそれより25館少ない。長野・北海道の上位2県は、地方圏でありながら博物館数で大都市東京を上回っている構図だ。

長野県は中央高地の風土と山岳信仰、街道筋の宿場町文化、文学・美術・歴史にちなんだ郷土施設、信濃国時代の文化遺産など、博物館・美術館・記念館の主題が豊富。一方、北海道は広大な面積と道内各地に散らばる地域博物館の集積で、334館に達している。

なぜ長野が1位なのか

長野県は、平均標高が高く、市町村の数が多い県として知られる。市町村合併後でも長野県は77市町村があり、都道府県では北海道(179市町村)に次ぐ多さ。市町村ごとに郷土資料館・歴史資料館・美術館・記念館が設置されてきたことが、博物館の総数を押し上げている。

加えて、長野県は文学・芸術・産業史の主題が多い。長野県立美術館、サンリツ服部美術館、軽井沢の文豪記念館群、安曇野ちひろ美術館、諏訪の片倉館、松本の浮世絵博物館など、地域に根ざした施設が点在する。観光資源としての博物館・美術館の整備も、博物館数の厚みに寄与している。

2位北海道334館は、面積の広さによる側面が強い。函館の市立博物館・小樽の総合博物館・札幌の道立近代美術館・各地の郷土資料館など、道内の各市町村に施設が散らばっている。

最下位は和歌山県の42館、8.1倍差

下位を見ると、近畿南部・四国・中国地方の県が並ぶ。

順位 都道府県 博物館数
45位 徳島県 46館
46位 高知県 45館
47位 和歌山県 42館

最下位の和歌山県42館は、1位長野県の約12%。差は8.12倍にのぼる。和歌山県は森林率が高く、市町村の数も30と限られる。博物館の絶対数で見ると、市町村の少なさがそのまま少なめの数字に表れる。

和歌山・高知・徳島など、近畿南部・四国の小規模県も下位に並ぶ。一方で、和歌山県は熊野古道(世界遺産)や紀州徳川家ゆかりの史跡を多数抱えており、「博物館の登録数」と「文化遺産の重要度」は別の指標であることに注意が必要だ。

博物館数は市町村数とほぼ連動する

上位10県の博物館数 2015→2021推移

博物館数のランキングは、市町村数や面積の大きさと相関が強い。長野・北海道・愛知・新潟・岐阜と、市町村が多い・面積が広い県が上位に並ぶ。

ただし、3位の東京都309館は例外的。東京都は市区町村が62あり、その上で大型の国立博物館・美術館(東京国立博物館・国立科学博物館・国立西洋美術館・東京都美術館・森美術館など)が集中する。市町村ベースの数と、大都市の集積効果の両方が作用している。

「数」と「質」は別物で、上野公園のように1か所に大型館が集中する都市と、点在する地方の中小館が積み上がる地方では、同じ「博物館数」でも体験は大きく違う。とはいえ、47都道府県の地図上で「博物館がどこに、どれくらいあるか」を一望すると、長野・北海道・東京の3地域が際立つ並びになっている。

全国合計5,771館、全国平均123館。1位長野341館は全国平均の2.78倍。2015年(前回調査)の長野は277館で、6年で64館増えた。同期間に東京都は205館→309館へ104館増、北海道は272館→334館へ62館増。文化施設の集積は地方・大都市を問わず進んでいる。

全47都道府県 博物館数ランキング

2021年(令和3年度社会教育調査)の都道府県別博物館数を全47県で並べる。表95(博物館:登録+相当施設)と表123(博物館類似施設)の都道府県別合計値。

順位 都道府県 館数 順位 都道府県 館数
1 長野県 341 25 茨城県 103
2 北海道 334 26 山口県 101
3 東京都 309 27 群馬県 99
4 愛知県 219 28 山梨県 97
5 新潟県 207 29 熊本県 95
6 岐阜県 198 30 青森県 91
7 静岡県 193 31 秋田県 91
8 兵庫県 184 32 愛媛県 90
9 神奈川県 165 33 福井県 89
10 京都府 146 34 長崎県 87
11 石川県 138 35 滋賀県 86
12 栃木県 138 36 大分県 83
13 埼玉県 135 37 島根県 80
14 福岡県 135 38 山形県 75
15 岡山県 134 39 沖縄県 70
16 福島県 132 40 佐賀県 64
17 広島県 131 41 香川県 60
18 宮城県 128 42 宮崎県 54
19 鹿児島県 120 43 奈良県 49
20 千葉県 112 44 鳥取県 46
21 大阪府 111 45 徳島県 46
22 富山県 107 46 高知県 45
23 三重県 107 47 和歌山県 42
24 岩手県 104

長野341館、東京309館、和歌山42館

長野県341館、北海道334館、東京都309館、全国平均123館、最下位和歌山県42館。1位と最下位で8.12倍、長野が東京を32館上回る。地方圏の長野・北海道が大都市東京を超えるという、博物館の地図ならではの並び。同じ日本の中で、文化施設がどこにどれだけ蓄積されているか、その厚みは数字でくっきり分かれている。


もっと詳しく

データ出典: 文部科学省「社会教育調査」令和3年度(2021年10月1日現在)。本記事の館数は表95「種類別博物館数」(登録博物館+博物館相当施設、全国1,305館)と表123「種類別博物館類似施設数」(全国4,466館)の都道府県別合計値(全国合計5,771館)を使用。

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