30年以内に震度6弱以上の揺れを受ける確率、1位の高知市は77.7%。最低の札幌市2.3%とは34倍の差があった。

30年以内に震度6弱以上の揺れを受ける確率、1位の高知市は77.7%。最低の札幌市2.3%とは34倍の差があった。
本記事の確率値は、防災科学技術研究所のJ-SHIS(確率論的地震動予測地図 2024年版・平均ケース・全地震考慮)で、各県庁所在地の緯度経度の250mメッシュを照会した値。県全体ではなく、県庁所在地1地点の将来30年間の発生確率を表す。
日本は地震列島と言われるが、実際に足元で揺れを受ける確率は、県ごとにこれほど違う。
J-SHISの地震動予測地図で、47都道府県の県庁所在地について、30年以内に震度6弱以上の揺れを受ける確率を並べると、最高は高知市の77.7%、最低は札幌市の2.3%。その差は34倍に達する。
南海トラフ沿いの4県(高知・徳島・香川・和歌山)と静岡は、いずれも70%を超える。30年という時間で見ると、高い確率で大きな揺れを経験することになる。
一方、北海道の札幌市、長野県の長野市、長崎県の長崎市は1桁台の確率。ただしこれはあくまで「県庁所在地の1点」の値で、北海道東部の千島海溝沿いや、長野県内の活断層帯など、県の別地域にある高リスク地帯は含まれていない。
南海トラフ沿いの県庁所在地が上位を独占
震度6弱以上・30年確率のトップ10を並べると、南海トラフ沿いと関東内陸が目立つ。
| 順位 | 都道府県 | 県庁所在地 | 30年以内震度6弱以上確率 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 高知県 | 高知市 | 77.7% |
| 2位 | 徳島県 | 徳島市 | 77.5% |
| 3位 | 香川県 | 高松市 | 73.6% |
| 4位 | 和歌山県 | 和歌山市 | 73.1% |
| 5位 | 静岡県 | 静岡市 | 72.8% |
| 6位 | 千葉県 | 千葉市 | 71.2% |
| 7位 | 奈良県 | 奈良市 | 64.3% |
| 8位 | 埼玉県 | さいたま市 | 62.4% |
| 9位 | 岐阜県 | 岐阜市 | 61.9% |
| 10位 | 大分県 | 大分市 | 57.4% |
上位5県(高知・徳島・香川・和歌山・静岡)は、いずれも南海トラフ沿岸に位置する。南海トラフは今世紀前半に巨大地震が想定されている海溝で、30年以内発生確率が70〜80%と評価されており、それが各県庁所在地の確率にそのまま反映されている。
6位以下には、首都圏や中部の内陸都市が並ぶ。千葉市・さいたま市・奈良市・岐阜市などは、活断層や周辺海域のプレート境界からの影響を合わせ持っている可能性がある。
最下位5県はプレート境界から離れた地域
一方、確率が最も低い5県は次の通りだ。
| 順位 | 都道府県 | 県庁所在地 | 30年以内震度6弱以上確率 |
|---|---|---|---|
| 43位 | 島根県 | 松江市 | 4.7% |
| 44位 | 山形県 | 山形市 | 3.8% |
| 45位 | 長崎県 | 長崎市 | 3.0% |
| 46位 | 長野県 | 長野市 | 2.7% |
| 47位 | 北海道 | 札幌市 | 2.3% |
札幌市・長野市・長崎市は1桁台の前半にとどまる。これらの都市は、主要なプレート境界や活動的な活断層から相対的に離れた位置にある。
注意が必要なのは、この値が「県庁所在地の1点」の値である点だ。たとえば北海道全体では、東部の千島海溝沿いで超巨大地震のリスクが評価されているが、札幌市の位置からはその影響が薄い。長野県も、県内に糸魚川-静岡構造線などの活断層が存在するが、県庁所在地の長野市はその中心から外れている。
震度5弱以上まで広げると、ほぼ全都市が高確率
地震ハザードは、震度5弱、5強、6弱、6強の各段階で公表されている。震度が低くなるほど、発生確率は高くなる。
震度5弱(人が揺れを感じ、棚の物が落ちる程度)の30年以内確率を見ると、千葉市・東京都区部・さいたま市は100.0%(ほぼ確実)、茨城県水戸市で99.9%、和歌山市で96.4%と続く。
震度5強(固定していない家具が倒れる)でも、千葉市98.7%、さいたま市97.3%、東京都区部92.4%。首都圏の県庁所在地は、30年以内にこの規模の揺れをほぼ確実に経験する計算になる。
確率の変化は、震度が大きくなるほど急激だ。震度6強(立っていられない、耐震性の低い家屋に大きな被害)になると、1位の高知市でも66.3%、2位の徳島市で57.7%。最下位の札幌市は0.2%にとどまる。
注意:メッシュ単位の値は県全体を表さない
J-SHISの値は、250mメッシュ単位で計算されている。県庁所在地の緯度経度1地点の確率は、その県全体の地震リスクを代表するわけではない。
たとえば長野県は、県庁所在地の長野市では2.7%だが、県南部や諏訪湖周辺では別の活断層が走っており、別のメッシュでは大きく異なる値になる可能性がある。北海道も、札幌市の値と東部沿岸の値は大きく違うと考えられる。
本記事の数字は、あくまで「各県の県庁所在地の1地点で、30年以内に震度6弱以上の揺れを経験する確率」として読むのが妥当だ。
全47県 震度6弱以上 30年確率 一覧
| 順位 | 都道府県 | 県庁所在地 | 6弱以上確率 | 順位 | 都道府県 | 県庁所在地 | 6弱以上確率 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 高知県 | 高知市 | 77.7% | 25 | 栃木県 | 宇都宮市 | 14.9% | |
| 2 | 徳島県 | 徳島市 | 77.5% | 26 | 福井県 | 福井市 | 14.9% | |
| 3 | 香川県 | 高松市 | 73.6% | 27 | 滋賀県 | 大津市 | 14.4% | |
| 4 | 和歌山県 | 和歌山市 | 73.1% | 28 | 京都府 | 京都市 | 14.3% | |
| 5 | 静岡県 | 静岡市 | 72.8% | 29 | 鹿児島県 | 鹿児島市 | 13.8% | |
| 6 | 千葉県 | 千葉市 | 71.2% | 30 | 石川県 | 金沢市 | 12.6% | |
| 7 | 奈良県 | 奈良市 | 64.3% | 31 | 富山県 | 富山市 | 12.2% | |
| 8 | 埼玉県 | さいたま市 | 62.4% | 32 | 秋田県 | 秋田市 | 10.3% | |
| 9 | 岐阜県 | 岐阜市 | 61.9% | 33 | 福島県 | 福島市 | 9.1% | |
| 10 | 大分県 | 大分市 | 57.4% | 34 | 鳥取県 | 鳥取市 | 8.3% | |
| 11 | 三重県 | 津市 | 48.9% | 35 | 佐賀県 | 佐賀市 | 7.8% | |
| 12 | 茨城県 | 水戸市 | 48.3% | 36 | 宮城県 | 仙台市 | 7.7% | |
| 13 | 愛知県 | 名古屋市 | 48.0% | 37 | 兵庫県 | 神戸市 | 7.6% | |
| 14 | 東京都 | 新宿区 | 47.4% | 38 | 岩手県 | 盛岡市 | 6.9% | |
| 15 | 愛媛県 | 松山市 | 45.1% | 39 | 福岡県 | 福岡市 | 6.3% | |
| 16 | 宮崎県 | 宮崎市 | 44.7% | 40 | 群馬県 | 前橋市 | 5.6% | |
| 17 | 神奈川県 | 横浜市 | 43.4% | 41 | 青森県 | 青森市 | 5.6% | |
| 18 | 岡山県 | 岡山市 | 42.9% | 42 | 山口県 | 山口市 | 5.5% | |
| 19 | 山梨県 | 甲府市 | 37.9% | 43 | 島根県 | 松江市 | 4.7% | |
| 20 | 大阪府 | 大阪市 | 28.1% | 44 | 山形県 | 山形市 | 3.8% | |
| 21 | 広島県 | 広島市 | 26.5% | 45 | 長崎県 | 長崎市 | 3.0% | |
| 22 | 沖縄県 | 那覇市 | 20.8% | 46 | 長野県 | 長野市 | 2.7% | |
| 23 | 熊本県 | 熊本市 | 18.2% | 47 | 北海道 | 札幌市 | 2.3% | |
| 24 | 新潟県 | 新潟市 | 15.0% |
高知77.7%、札幌2.3%、差は34倍
高知市77.7%、札幌市2.3%、全国最高と最低で34倍の差。同じ30年という時間、同じ日本の県庁所在地で、これだけの違いが地震の確率として刻まれている。南海トラフ沿いの5県は70%超、一方で北方や長野・長崎は1桁台。あなたの県庁所在地の足元に、この先30年でどれだけの揺れが想定されているか、数字は静かに示している。
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データ出典: 防災科学技術研究所 J-SHIS 地震ハザードステーション(確率論的地震動予測地図 2024年版・平均ケース・全地震考慮、250mメッシュ、各県庁所在地の緯度経度を照会)