47ものがたり
2024年版(30年以内)

30年以内に震度6弱以上の揺れを受ける確率、1位の高知市は77.7%。最低の札幌市2.3%とは34倍の差があった。

公開日: 2026-04-28
#地震#災害#防災#南海トラフ#県庁所在地
30年以内に震度6弱以上の揺れを受ける確率、1位の高知市は77.7%。最低の札幌市2.3%とは34倍の差があった。

30年以内に震度6弱以上の揺れを受ける確率、1位の高知市は77.7%。最低の札幌市2.3%とは34倍の差があった。

本記事の確率値は、防災科学技術研究所のJ-SHIS(確率論的地震動予測地図 2024年版・平均ケース・全地震考慮)で、各県庁所在地の緯度経度の250mメッシュを照会した値。県全体ではなく、県庁所在地1地点の将来30年間の発生確率を表す。

日本は地震列島と言われるが、実際に足元で揺れを受ける確率は、県ごとにこれほど違う。

J-SHISの地震動予測地図で、47都道府県の県庁所在地について、30年以内に震度6弱以上の揺れを受ける確率を並べると、最高は高知市の77.7%、最低は札幌市の2.3%。その差は34倍に達する。

南海トラフ沿いの4県(高知・徳島・香川・和歌山)と静岡は、いずれも70%を超える。30年という時間で見ると、高い確率で大きな揺れを経験することになる。

一方、北海道の札幌市、長野県の長野市、長崎県の長崎市は1桁台の確率。ただしこれはあくまで「県庁所在地の1点」の値で、北海道東部の千島海溝沿いや、長野県内の活断層帯など、県の別地域にある高リスク地帯は含まれていない。

南海トラフ沿いの県庁所在地が上位を独占

震度6弱以上・30年確率のトップ10を並べると、南海トラフ沿いと関東内陸が目立つ。

順位 都道府県 県庁所在地 30年以内震度6弱以上確率
1位 高知県 高知市 77.7%
2位 徳島県 徳島市 77.5%
3位 香川県 高松市 73.6%
4位 和歌山県 和歌山市 73.1%
5位 静岡県 静岡市 72.8%
6位 千葉県 千葉市 71.2%
7位 奈良県 奈良市 64.3%
8位 埼玉県 さいたま市 62.4%
9位 岐阜県 岐阜市 61.9%
10位 大分県 大分市 57.4%

上位5県(高知・徳島・香川・和歌山・静岡)は、いずれも南海トラフ沿岸に位置する。南海トラフは今世紀前半に巨大地震が想定されている海溝で、30年以内発生確率が70〜80%と評価されており、それが各県庁所在地の確率にそのまま反映されている。

6位以下には、首都圏や中部の内陸都市が並ぶ。千葉市・さいたま市・奈良市・岐阜市などは、活断層や周辺海域のプレート境界からの影響を合わせ持っている可能性がある。

最下位5県はプレート境界から離れた地域

一方、確率が最も低い5県は次の通りだ。

順位 都道府県 県庁所在地 30年以内震度6弱以上確率
43位 島根県 松江市 4.7%
44位 山形県 山形市 3.8%
45位 長崎県 長崎市 3.0%
46位 長野県 長野市 2.7%
47位 北海道 札幌市 2.3%

札幌市・長野市・長崎市は1桁台の前半にとどまる。これらの都市は、主要なプレート境界や活動的な活断層から相対的に離れた位置にある。

注意が必要なのは、この値が「県庁所在地の1点」の値である点だ。たとえば北海道全体では、東部の千島海溝沿いで超巨大地震のリスクが評価されているが、札幌市の位置からはその影響が薄い。長野県も、県内に糸魚川-静岡構造線などの活断層が存在するが、県庁所在地の長野市はその中心から外れている。

震度5弱以上まで広げると、ほぼ全都市が高確率

地震ハザードは、震度5弱、5強、6弱、6強の各段階で公表されている。震度が低くなるほど、発生確率は高くなる。

震度5弱(人が揺れを感じ、棚の物が落ちる程度)の30年以内確率を見ると、千葉市・東京都区部・さいたま市は100.0%(ほぼ確実)、茨城県水戸市で99.9%、和歌山市で96.4%と続く。

震度5強(固定していない家具が倒れる)でも、千葉市98.7%、さいたま市97.3%、東京都区部92.4%。首都圏の県庁所在地は、30年以内にこの規模の揺れをほぼ確実に経験する計算になる。

確率の変化は、震度が大きくなるほど急激だ。震度6強(立っていられない、耐震性の低い家屋に大きな被害)になると、1位の高知市でも66.3%、2位の徳島市で57.7%。最下位の札幌市は0.2%にとどまる。

注意:メッシュ単位の値は県全体を表さない

J-SHISの値は、250mメッシュ単位で計算されている。県庁所在地の緯度経度1地点の確率は、その県全体の地震リスクを代表するわけではない。

たとえば長野県は、県庁所在地の長野市では2.7%だが、県南部や諏訪湖周辺では別の活断層が走っており、別のメッシュでは大きく異なる値になる可能性がある。北海道も、札幌市の値と東部沿岸の値は大きく違うと考えられる。

本記事の数字は、あくまで「各県の県庁所在地の1地点で、30年以内に震度6弱以上の揺れを経験する確率」として読むのが妥当だ。

全47県 震度6弱以上 30年確率 一覧

順位 都道府県 県庁所在地 6弱以上確率 順位 都道府県 県庁所在地 6弱以上確率
1 高知県 高知市 77.7% 25 栃木県 宇都宮市 14.9%
2 徳島県 徳島市 77.5% 26 福井県 福井市 14.9%
3 香川県 高松市 73.6% 27 滋賀県 大津市 14.4%
4 和歌山県 和歌山市 73.1% 28 京都府 京都市 14.3%
5 静岡県 静岡市 72.8% 29 鹿児島県 鹿児島市 13.8%
6 千葉県 千葉市 71.2% 30 石川県 金沢市 12.6%
7 奈良県 奈良市 64.3% 31 富山県 富山市 12.2%
8 埼玉県 さいたま市 62.4% 32 秋田県 秋田市 10.3%
9 岐阜県 岐阜市 61.9% 33 福島県 福島市 9.1%
10 大分県 大分市 57.4% 34 鳥取県 鳥取市 8.3%
11 三重県 津市 48.9% 35 佐賀県 佐賀市 7.8%
12 茨城県 水戸市 48.3% 36 宮城県 仙台市 7.7%
13 愛知県 名古屋市 48.0% 37 兵庫県 神戸市 7.6%
14 東京都 新宿区 47.4% 38 岩手県 盛岡市 6.9%
15 愛媛県 松山市 45.1% 39 福岡県 福岡市 6.3%
16 宮崎県 宮崎市 44.7% 40 群馬県 前橋市 5.6%
17 神奈川県 横浜市 43.4% 41 青森県 青森市 5.6%
18 岡山県 岡山市 42.9% 42 山口県 山口市 5.5%
19 山梨県 甲府市 37.9% 43 島根県 松江市 4.7%
20 大阪府 大阪市 28.1% 44 山形県 山形市 3.8%
21 広島県 広島市 26.5% 45 長崎県 長崎市 3.0%
22 沖縄県 那覇市 20.8% 46 長野県 長野市 2.7%
23 熊本県 熊本市 18.2% 47 北海道 札幌市 2.3%
24 新潟県 新潟市 15.0%

高知77.7%、札幌2.3%、差は34倍

高知市77.7%、札幌市2.3%、全国最高と最低で34倍の差。同じ30年という時間、同じ日本の県庁所在地で、これだけの違いが地震の確率として刻まれている。南海トラフ沿いの5県は70%超、一方で北方や長野・長崎は1桁台。あなたの県庁所在地の足元に、この先30年でどれだけの揺れが想定されているか、数字は静かに示している。


もっと詳しく

データ出典: 防災科学技術研究所 J-SHIS 地震ハザードステーション(確率論的地震動予測地図 2024年版・平均ケース・全地震考慮、250mメッシュ、各県庁所在地の緯度経度を照会)