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2024年

雨が最も多い県は静岡県。3,754mmで、最下位宮城の3.7倍。

公開日: 2026-05-03
#気象#降水量#静岡#宮城#気象庁
雨が最も多い県は静岡県。3,754mmで、最下位宮城の3.7倍。

雨が最も多い県は静岡県。3,754mmで、最下位宮城の3.7倍。

日本は雨の多い国だ。国土交通省によれば、日本の年降水量は世界平均のおよそ2倍にあたる。

では、47都道府県のうち、最も雨が多いのはどこか。沖縄や鹿児島のような南国の県を思い浮かべる人が多いかもしれない。

だが、気象庁の「気象観測統計」で2024年の年間降水量を比べると、1位は静岡県だった。

2024年の静岡県の年間降水量は3,753.5mm。2位の沖縄県3,069mm、3位の鹿児島県3,064.5mmを引き離し、47都道府県で唯一3,500mmを超えた。最下位の宮城県1,027.5mmと比べると3.65倍の差がある。

本記事の「都道府県の降水量」は県全体の面平均ではなく、気象庁が各県で代表として観測している地点(多くは県庁所在地、埼玉は熊谷市、東京は千代田区、滋賀は彦根市など)の観測値を都道府県値として集計したもの。

降水量1位は、静岡県の3,754mm

降水量ランキング 2024年・年間

2024年の降水量ランキング上位と下位を並べる。

順位 都道府県 降水量
1位 静岡県 3,753.5mm
2位 沖縄県 3,069.0mm
3位 鹿児島県 3,064.5mm
4位 宮崎県 2,965.5mm
5位 石川県 2,780.0mm
... ... ...
44位 長野県 1,152.5mm
45位 北海道 1,120.0mm
46位 福島県 1,101.5mm
47位 宮城県 1,027.5mm

全国平均は1,913mm。静岡県はその約2倍、宮城県は約半分。最上位と最下位で2,726mmの差があり、倍率は3.65倍に達する。

上位には太平洋側の九州・四国、日本海側の北陸、西日本の山地県が並ぶ。下位には東北内陸部、関東内陸部、北海道が並び、日本の降水量は「太平洋側・日本海側の山地」と「内陸・東北北部」の間で大きく分かれている。

なぜ静岡県の降水量が多いのか

静岡県の降水量が突出する背景には、地形と気象の複合要因がある。

一つめは、南アルプスと富士山・伊豆半島の山岳地帯。南からの湿った空気が山にぶつかって強制的に持ち上げられ、大量の雨を降らせる。二つめは、台風の通り道であること。秋の台風が駿河湾・遠州灘に接近しやすく、県内に強い雨を落とす。三つめは、梅雨末期と秋雨前線の停滞位置。前線がちょうど東海地方にかかりやすい気候配置で、長雨が続く。

静岡県内でも、大井川上流・天竜川上流・伊豆半島の山間部は年間4,000mmを超える多雨地帯として知られている。代表観測地点(静岡市)の3,754mmは、県内全域で見ればむしろ平均的な値に近い可能性もある。

2位は沖縄、3位は鹿児島。太平洋側の雨

2位以下には、太平洋側・西日本の県が続く。

沖縄県3,069mm、鹿児島県3,064.5mm、宮崎県2,965.5mm。この3県は台風の直撃を受けやすく、梅雨期間も長い。九州南部と沖縄は、日本の降水量の中でも常に上位を争う地域だ。

5位以降は、石川県2,780mm、福井県2,675.5mm、富山県2,652mmと、日本海側の北陸3県が並ぶ。冬の北西季節風が日本海で水蒸気を大量に含み、山にぶつかって雪と雨を降らせる。降水量ベースで見ると、「太平洋側の台風雨」と「日本海側の冬の雪・雨」がほぼ同じ水準で上位に並ぶ。

最下位は宮城県の1,028mm

下位に並ぶのは、宮城県1,027.5mm、福島県1,101.5mm、北海道1,120mm、長野県1,152.5mm、埼玉県1,213.5mm。東北の太平洋側、内陸部、北海道、関東内陸が「雨の少ない地域」として並ぶ。

宮城県は東北地方の太平洋側に位置するが、奥羽山脈によって日本海側からの湿った空気が遮られる。また台風の通り道からも外れており、年間を通じて降水量が少ない。長野県や埼玉県は内陸性気候で、山に囲まれたり海から遠かったりで雨が届きにくい。

同じ日本の中で、年間の雨量に3.65倍の差があること。これは人間の体感よりも、統計の数字にはっきり現れる。

晴れも雨も、静岡が頂点にいる

前回の記事で、快晴日数の全国ランキング(2018年)では静岡県が2位(64日)だったことを紹介した。今回の降水量では静岡県が1位。同じ県が、晴れる日の多さで上位、雨量でも全国1位という構図になっている。

一見矛盾に見えるが、静岡県は「冬は太平洋側の乾いた北風で晴れ、夏〜秋は南からの湿った空気と台風で大雨」という、季節によって空の表情がくっきり分かれる県だ。快晴日数が多いのは冬、降水量を押し上げるのは夏〜秋。両方とも本当の姿で、どちらの1つだけを取り出しても静岡の気候は説明できない。

全47都道府県 降水量ランキング

2024年の年間降水量を全47県で並べる。

順位 都道府県 降水量 順位 都道府県 降水量
1 静岡県 3,753.5 25 愛知県 1,773.0
2 沖縄県 3,069.0 26 大分県 1,772.0
3 鹿児島県 3,064.5 27 奈良県 1,683.5
4 宮崎県 2,965.5 28 栃木県 1,645.0
5 石川県 2,780.0 29 千葉県 1,634.5
6 福井県 2,675.5 30 京都府 1,603.5
7 富山県 2,652.0 31 大阪府 1,590.0
8 高知県 2,577.0 32 兵庫県 1,569.5
9 山口県 2,510.0 33 茨城県 1,548.0
10 熊本県 2,427.0 34 和歌山県 1,543.5
11 三重県 2,285.0 35 徳島県 1,510.0
12 長崎県 2,136.5 36 岩手県 1,468.0
13 岐阜県 2,108.5 37 岡山県 1,459.5
14 島根県 2,103.0 38 山梨県 1,448.0
15 佐賀県 2,098.5 39 青森県 1,437.0
16 新潟県 2,065.5 40 山形県 1,314.5
17 愛媛県 2,052.5 41 群馬県 1,307.0
18 鳥取県 2,049.0 42 香川県 1,294.5
19 福岡県 1,971.0 43 埼玉県 1,213.5
20 東京都 1,926.0 44 長野県 1,152.5
21 広島県 1,908.0 45 北海道 1,120.0
22 滋賀県 1,903.5 46 福島県 1,101.5
23 神奈川県 1,819.0 47 宮城県 1,027.5
24 秋田県 1,776.0

※ 単位はmm。2024年値。

静岡3,754mm、宮城1,028mm、その差3.7倍

2024年、静岡県の年間降水量は3,753.5mm、宮城県は1,027.5mm、全国平均は1,913mm。同じ日本の中で、雨の量は3.7倍違う。

静岡は「晴れも雨も」で頂点に並び、宮城は雨が少ない側、快晴日数でも下位寄りという位置にある。気候は一つの数字だけでは語れず、快晴・降水・日照・雪・風の複数の物差しで、都道府県ごとに違う表情を見せる。1年分の雨量という素朴な指標でさえ、これだけの開きがある。


もっと詳しく

データ出典: 気象庁「気象観測統計」(2024年、総務省「社会・人口統計体系」経由)

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