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2023-2025年平均(3年平均)

外食すしの支出額1位は金沢市だった。東京都区部は10位。

公開日: 2026-05-01
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外食すしの支出額1位は金沢市だった。東京都区部は10位。

外食すしの支出額1位は金沢市だった。東京都区部は10位。

外食すしと聞いて、どの地域を思い浮かべるだろうか。東京の高級寿司、築地の鮮魚、あるいは大都市のにぎわいを連想する人は多いかもしれない。

ところが、総務省「家計調査」の数字は少し違う景色を見せている。

直近3年(2023〜2025年)の平均で、都道府県庁所在市及び政令指定都市の外食すし支出額を並べると、1位は金沢市で年間22,406円。全国平均16,577円を大きく上回る。東京都区部は10位で、18,603円だった。

東京が上位ではあるものの首位ではなく、金沢市が長くトップを維持している。この差はどこから生まれるのか。

上位には日本海側と中部の都市が並ぶ

外食すしランキング 2023-2025年 3年平均

3年平均の上位を並べると、こうなる。

順位 観測都市 3年平均支出額
1位 金沢市 22,406円
2位 富山市 21,750円
3位 名古屋市 21,079円
4位 山形市 21,005円
5位 静岡市 20,969円

上位5都市のうち、北陸・日本海側の都市が目立ち、そこに名古屋市や静岡市が加わる構図になっている。一方、最下位は那覇市の8,878円。1位の金沢市との差は13,528円で、かなり大きい。

東京都区部が10位という事実も興味深い。外食の選択肢が極端に多い大都市では、食費全体の中で「すし」に向かう比率が分散しやすい。東京は外食総額そのものは大きいが、イタリアン、焼肉、ラーメン、フレンチなどの選択肢も非常に多い。そのため、すし1項目への集中度は相対的に下がっている可能性がある。

19年間の変化を見ると、後発地域の伸びが大きい

外食すし支出額の19年変化率

19年間(2007〜2025年)で変化率が大きかったのは徳島市の+104%。那覇市+60%、鳥取市+57%、高知市+55%、佐賀市+54%と続く。

もともとの支出額が低かった四国や九州、沖縄の都市で、外食すしが大きく伸びてきたことがわかる。全国チェーン回転寿司の普及や、外食の選択肢の均質化が背景にあると考えられる。

逆に減少した都市もある。神戸市は-34%、甲府市は-23%、福岡市は-13%、金沢市でも-6%だった。上位常連の都市の一部では、長期的にはやや調整が入っている。

2015年と2020年に何が起きたのか

外食すし支出額の推移 2007-2025年

2007年から2025年の推移グラフを見ると、全国平均は2020年に落ち込み、その後2025年に過去最高を更新している。

2020年、コロナ禍の外出自粛で全国平均の外食すし支出額は大きく落ちた。2019年の14,886円から2020年は12,751円へ、2,000円以上の下落だ。

その後、2021年以降は回復に向かう。2025年の全国平均は17,975円で、過去最高を更新した。2020年の谷から2025年のピークまで、増加率は約41%になる。物価上昇の影響はあるにせよ、外食需要そのものが戻ってきたことも大きい。

金沢市の推移も印象的だ。2014年は17,885円だったが、2015年に23,248円へと急伸している。この年にあったのが北陸新幹線の開業だ。東京と金沢が近くなり、観光客が大きく増えた。家計調査は地元世帯の支出を測る統計だが、観光地化によって店の選択肢や価格帯が変わり、地元住民の支出行動にも影響した可能性がある。

富山市でも2015年以降の伸びが見られ、北陸新幹線の効果と無関係ではなさそうだ。

なぜ金沢市が長くトップなのか

理由1 — 地元発の回転寿司やすし店文化が厚い。
石川県や北陸では、すしを外食の主役として選ぶ文化が根づいているように見える。高級寿司だけでなく、地元の回転寿司や中価格帯の店も厚く、すし外食の裾野が広い。

理由2 — 地魚の豊富さが、外食すしの魅力を高めている。
石川や富山では、日本海の魚種の豊かさがすしの魅力を支えている。地元で食べる鮮魚の満足度が高く、それがすし外食への支出を押し上げている可能性がある。

理由3 — 観光地としての発展が、地元の選択肢も豊かにした。
観光客が増える都市では、飲食店の質や幅も広がりやすい。金沢市では、観光需要が結果的に地元住民の外食すし環境も押し上げてきたと考えられる。

すしが見せる、地域消費の構造

外食すしは、日本全国でかなり均一に手に入る外食カテゴリーだ。回転寿司の普及で価格帯も平準化が進んでいる。それでも支出額には大きな差がある。

金沢市が高く、那覇市が低い。その差は、気候や所得だけでは説明しきれない。地域の食文化、地元産食材の充実、観光との相乗効果、そして外食習慣の積み重ね。そうしたものが重なって、順位の構造を形づくっている。

全52観測都市ランキング

家計調査では、都道府県庁所在市と政令指定都市の合計52観測都市を比較できる。3年平均ランキングには相模原市を含む全52都市を並べた。

順位 名称 2023〜2025年平均 順位 名称 2023〜2025年平均
1 金沢市 22,406円 27 秋田市 16,134円
2 富山市 21,750円 28 鳥取市 16,088円
3 名古屋市 21,079円 29 水戸市 16,013円
4 山形市 21,005円 30 佐賀市 15,567円
5 静岡市 20,969円 31 北九州市 15,512円
6 岐阜市 19,943円 32 広島市 15,226円
7 堺市 19,433円 33 津市 15,156円
8 相模原市 18,728円 34 松江市 15,094円
9 高知市 18,691円 35 新潟市 15,079円
10 宇都宮市 18,682円 36 青森市 14,942円
11 東京都区部 18,603円 37 盛岡市 14,794円
12 千葉市 18,569円 38 和歌山市 14,729円
13 さいたま市 18,227円 39 大分市 14,676円
14 川崎市 18,007円 40 熊本市 14,669円
15 福島市 17,887円 41 岡山市 14,554円
16 長野市 17,735円 42 大津市 14,447円
17 福井市 17,729円 43 山口市 14,185円
18 京都市 17,662円 44 甲府市 14,168円
19 仙台市 17,554円 45 前橋市 13,774円
20 札幌市 17,303円 46 鹿児島市 13,372円
21 横浜市 17,152円 47 宮崎市 12,607円
22 奈良市 17,084円 48 福岡市 12,156円
23 大阪市 16,839円 49 長崎市 11,987円
24 浜松市 16,814円 50 神戸市 11,642円
25 徳島市 16,682円 51 松山市 11,637円
26 高松市 16,373円 52 那覇市 8,878円

金沢22,406円、那覇8,878円、東京10位

金沢市22,406円、那覇市8,878円、全国平均16,577円。1位と最下位で2.5倍の差。そして外食すしで東京は10位止まり。同じ外食すしという項目で、これだけの地域差が日本の食文化の厚みとして刻まれている。


もっと詳しく

データ出典: 総務省統計局「家計調査」(2007〜2025年・3年平均使用・二人以上の世帯・都道府県庁所在市及び政令指定都市)