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2023-2025年平均(3年平均)

炭酸飲料の支出額1位は青森市11,210円。北日本が上位、17年で全国は約2.6倍に。

公開日: 2026-05-21
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炭酸飲料の支出額1位は青森市11,210円。北日本が上位、17年で全国は約2.6倍に。

炭酸飲料の支出額1位は青森市11,210円。北日本が上位、17年で全国は約2.6倍に。

炭酸飲料を最も買う都市はどこか。コーラ・サイダー・無糖強炭酸水を含む「炭酸飲料」品目の家計調査支出額を、都道府県庁所在市・政令指定都市の52観測都市ベースで直近3年(2023〜2025年)平均で並べると、上位は北日本で固まっている。

1位は青森市の11,210円。2位盛岡市10,281円、3位札幌市10,096円、4位福島市9,615円、5位仙台市9,263円。上位5市すべてが北海道・東北の都市で、暖房効いた室内で冷たい炭酸を飲むイメージそのままに、北日本が独占している。

全国平均は7,771円。1位青森はその1.44倍、最下位の津市5,507円とは2.04倍の差がある。さらに注目すべきは、この支出額の全国平均が17年で約2.6倍に急拡大していることだ。

青森11,210円、盛岡10,281円、北日本5市が上位独占

炭酸飲料支出額ランキング 2023-2025年 3年平均

上位10都市を並べると、北日本5市と関東・近畿・九州・中国の混在が見える。

順位 観測都市 3年平均支出額
1位 青森市 11,210円
2位 盛岡市 10,281円
3位 札幌市 10,096円
4位 福島市 9,615円
5位 仙台市 9,263円
6位 川崎市 9,099円
7位 佐賀市 8,959円
8位 山形市 8,844円
9位 さいたま市 8,840円
10位 山口市 8,739円

1位青森と5位仙台の差は1,947円で、北日本5市が9,000〜11,000円台にまとまっている。北海道・東北の県庁所在市が一塊で並ぶのは、家計調査の支出額品目の中でも特徴的な構図だ。

8位山形市・11位秋田市・13位大阪市・14位宇都宮市と、東北・北関東がさらに続く。北日本7県の県庁所在市(札幌・青森・盛岡・福島・仙台・山形・秋田)はすべて上位11位以内に入っており、地方ブロック単位での上位集中が際立っている。

なぜ北日本が上位なのか

北日本5市が上位を独占する理由は、3つに分解して読むのが妥当だろう。いずれも家計調査の数字から因果は直接示せないが、有力な仮説として語られてきた。

1つめは暖房文化と室内冷飲料。北海道・東北の冬は外気温が低く、家庭内は高い室温に保たれる。暖房効いた部屋で冷たい炭酸を飲む習慣が日常化しているとされ、ヨーグルト・アイスクリームの北日本上位と同じ構造が指摘される。家庭の暖房文化と冷飲料消費がセットで動いているという見立てだ。

2つめは車社会とまとめ買い文化。北日本は人口密度が低く、一人あたりの車保有率が高い。スーパーへ車で通い、2リットルペットボトル6本入りの「ケース買い」が定着している地域が多い。重い炭酸飲料を一度にまとめて運ぶ購買行動が、家庭支出額を押し上げる方向に働きやすい。

3つめは大型スーパー・ディスカウント店の流通網。北海道・東北では大型郊外型スーパー(ベイシア、コープさっぽろ、ヨークベニマル、薬王堂など)が日常の買い物拠点で、特売時の炭酸飲料がケース単位で売られる頻度が高い。価格訴求力のある販売チャネルの厚みが、北日本の支出額を支えているという見方もある。

ただしこれらは複合要因で、家計調査の数字だけから個々の寄与度を切り分けることはできない。確実に言えるのは、「北日本では炭酸飲料が日常品として家庭支出に組み込まれている」という観察事実だ。

反証例: 7位佐賀・10位山口、北日本だけではない

「北日本独占」と単純化したくなるが、上位10位中には7位佐賀市8,959円・10位山口市8,739円と、九州西部・中国地方の都市も入っている。さらに6位川崎市9,099円・9位さいたま市8,840円と、首都圏勢も10位以内に食い込む。

つまり「北日本=寒冷地だから上位」とは必ずしも言えない。佐賀市・山口市は気候的には温暖だが、ケース買い文化や郊外型スーパーの流通網など、北日本と共通する購買インフラを持つ可能性が高い。首都圏の川崎・さいたまは住宅地中心で、家族世帯の常備品需要が反映されているとも見られる。

「炭酸飲料の高消費は寒冷地特有」ではなく、「車社会+郊外スーパー+常備品文化」が重なる地域で広がっている、と読むのが自然だろう。

最下位は津市5,507円、2.04倍差

下位を見ると、近畿・東海の中小都市が並ぶ。

順位 観測都市 3年平均支出額
49位 名古屋市 6,363円
50位 岐阜市 6,335円
51位 和歌山市 6,087円
52位 津市 5,507円

最下位の津市5,507円は、1位青森市の約49%。差は2.04倍にのぼる。49位名古屋・50位岐阜と東海3市(津・名古屋・岐阜)が下位に並ぶのは目立つ構図で、東海地方の家庭支出パターンが他地域と異なる可能性を示している。

東海地方は喫茶店文化(モーニング・コーヒー)が厚い地域として知られ、家庭での飲料選択肢にコーヒー・お茶の比重が大きい可能性がある。炭酸飲料の家庭購入が相対的に小さくなっている背景の一つとして指摘されることがあるが、家計調査単体からは断定できない。

全国は17年で+163%、市場が約2.6倍に拡大

炭酸飲料支出額の推移 2007-2025年

炭酸飲料支出額の全国平均は、2007〜2009年の3年平均2,958円から2023〜2025年の3年平均7,771円へと、約+163%伸びている。家計調査の品目で17年で2.6倍に拡大したものは、ヨーグルト・ワイン・チーズなど健康・洋風品目に並ぶ突出した成長だ。

転換点として読みやすいのは2点ある。1つは2010年代の無糖強炭酸水ブーム。サントリーの「南アルプスの天然水スパークリング」、伊藤園の「強炭酸水」、PB商品の安価な無糖炭酸水など、糖質ゼロ・カロリーゼロの炭酸水が「健康に良い飲み物」として家庭に定着した。従来の砂糖入り炭酸飲料の縮小を、無糖炭酸水の急拡大が大きく上回った時期だ。

もう1つは2010年代後半以降のハイボール文化。家庭で焼酎・ウイスキーを炭酸水で割って飲む習慣が広がり、家庭の冷蔵庫に2リットルペットボトルの炭酸水が常備されるパターンが増えた。酒類消費の縮小とは裏腹に、酒の割材としての炭酸需要は伸び続けている。

ただしこれらは状況証拠で、家計調査単体から因果を直接示すことはできない。確実に言えるのは、「炭酸飲料は17年で2.6倍に拡大し、家庭の常備品としての位置を確立した」という観察事実だ。

全52観測都市ランキング

家計調査では、都道府県庁所在市と政令指定都市の合計52観測都市を比較できる。3年平均ランキングには相模原市を含む全52都市を並べた。

順位 名称 2023〜2025年平均 順位 名称 2023〜2025年平均
1 青森市 11,210円 27 大津市 7,790円
2 盛岡市 10,281円 28 北九州市 7,783円
3 札幌市 10,096円 29 金沢市 7,721円
4 福島市 9,615円 30 水戸市 7,689円
5 仙台市 9,263円 31 横浜市 7,676円
6 川崎市 9,099円 32 宮崎市 7,666円
7 佐賀市 8,959円 33 千葉市 7,654円
8 山形市 8,844円 34 岡山市 7,489円
9 さいたま市 8,840円 35 甲府市 7,484円
10 山口市 8,739円 36 大分市 7,207円
11 秋田市 8,727円 37 浜松市 7,184円
12 高松市 8,667円 38 京都市 7,166円
13 大阪市 8,648円 39 長崎市 7,148円
14 宇都宮市 8,515円 40 奈良市 7,037円
15 松江市 8,465円 41 前橋市 6,989円
16 富山市 8,447円 42 鹿児島市 6,799円
17 徳島市 8,208円 43 松山市 6,767円
18 相模原市 8,062円 44 神戸市 6,695円
19 広島市 8,047円 45 静岡市 6,670円
20 新潟市 8,043円 46 長野市 6,638円
21 高知市 8,031円 47 福井市 6,619円
22 堺市 8,020円 48 福岡市 6,519円
23 那覇市 7,999円 49 名古屋市 6,363円
24 東京都区部 7,941円 50 岐阜市 6,335円
25 鳥取市 7,820円 51 和歌山市 6,087円
26 熊本市 7,818円 52 津市 5,507円

青森11,210円、津5,507円、17年で2.6倍に

青森市11,210円、盛岡市10,281円、札幌市10,096円、全国平均7,771円、最下位津市5,507円。北日本5市が上位独占、1位と最下位で2.04倍。全国平均は17年で2,958円→7,771円と+163%伸び、家計調査の品目で2.6倍級の拡大は珍しい部類に入る。北日本の暖房文化×車社会×大型スーパーが上位の構造を作り、無糖強炭酸水ブームとハイボール定着が17年の市場拡大を牽引した。家庭の冷蔵庫における炭酸飲料の位置は、この17年で大きく変わった。


もっと詳しく

データ出典: 総務省「家計調査」(2007〜2025年・3年平均使用・二人以上の世帯・都道府県庁所在市及び政令指定都市・品目: 炭酸飲料)

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