ものがたり
2019年

森林率1位は高知県の83.3%。最下位大阪29.9%で、同じ日本列島で2.79倍差。

公開日: 2026-05-17
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森林率1位は高知県の83.3%。最下位大阪29.9%で、同じ日本列島で2.79倍差。

森林率1位は高知県の83.3%。最下位大阪29.9%で、同じ日本列島で2.79倍差。

日本は国土の約3分の2が森林と言われる国だが、都道府県別に見ると、森林が占める割合は大きく違う。

林野庁の「森林資源の現況」(2019年)で、各都道府県の森林率を並べると、1位は高知県の83.3%。国土の約8割が森林で覆われている計算だ。2位は岐阜県79.0%、3位島根県78.0%、4位山梨県77.8%、5位奈良県76.9%。

一方、最下位は大阪府の29.9%。森林率で見ると、高知と大阪で2.79倍の差がある。全国平均は61.6%。

高知83.3%、岐阜79.0%、島根78.0%が上位

森林率(2019年)

上位10県を並べると、中央高地・四国山間部・西日本内陸の県が並ぶ。

順位 都道府県 森林率
1位 高知県 83.3%
2位 岐阜県 79.0%
3位 島根県 78.0%
4位 山梨県 77.8%
5位 奈良県 76.9%
6位 和歌山県 76.2%
7位 宮崎県 75.5%
8位 徳島県 75.4%
9位 長野県 75.3%
10位 岩手県 74.6%

上位10県はすべて森林率70%以上。高知・徳島・愛媛の四国山岳地帯、岐阜・長野・山梨・奈良の中央高地、島根・宮崎の中国・九州山地。山がちな地形の県が上位を占める。

高知県83.3%は、国土の大半が四国山地に覆われ、平野部が少ない地形を反映している。2位の岐阜県79.0%は、飛騨山脈を抱える中部地方の典型。3位島根、4位山梨も同様に山の多い県だ。

なぜ高知県が1位なのか

高知県の面積約7,100km²のうち、約5,900km²が森林。国土の8割以上を林業・森林資源が占めており、この構造は江戸時代から続いている。土佐の山林は、江戸期には幕府直轄の「御留山」として厳しく管理され、杉・檜・松の良材の産地として知られていた。

現代でも高知県は木材生産が重要産業で、林業の就業者比率が相対的に高い。同じ四国内でも、平野部の割合が大きい徳島・愛媛・香川と、高知の森林率の差は大きい。

森林が多いということは、耕地・住宅地・工業用地が相対的に少ないということでもある。高知県の人口密度は全国ワースト圏で、1平方キロメートルあたりの人口も少ない。自然の厚みと人口の薄さは、同じ地形条件から出ている。

先に取り上げた「1人あたり都市公園面積」の1位が北海道、最下位が東京だったこととも、構図は重なる。面積が広く人が少ない地域では、森林・公園・自然空間が1人あたりに広く配分され、都市圏では人口集中によって相対的に小さくなる。同じ現象が、今度は森林率として現れている。

最下位は大阪府の29.9%、大都市圏が下位

下位を見ると、首都圏・関西圏・関東平野の県が並ぶ。

順位 都道府県 森林率
43位 東京都 34.7%
44位 茨城県 32.4%
45位 埼玉県 31.4%
46位 千葉県 30.1%
47位 大阪府 29.9%

最下位の大阪府29.9%は、1位高知県の約36%。差は2.79倍にのぼる。大阪・千葉・埼玉・茨城・東京と、関東平野・大阪平野の大都市圏が下位に集中する。

これらの地域は、平野部に人口と産業が集中し、森林面積の絶対値そのものが少ない。大阪府の森林面積は約57,000haで、高知県(約590,000ha)の約10分の1しかない。分母の県面積で割る森林率でも、都市型の県が下位に沈む。

40位以下を見ると、茨城・愛知・佐賀・福岡・香川なども40%台前後。首都圏だけでなく、関西・中部・九州の都市圏でも、平野部の広い県は森林率が低く出やすい。東京都34.7%は、奥多摩・青梅など島嶼部を含む西部の森林を抱えても、この水準にとどまっている。

森林率の分布、南北ではなく地形に沿う

森林率の上位・下位を並べると、日本列島の南北ではなく、地形(山か平野か)に沿って分布する。

上位10県は四国山地・中央高地・中国山地・九州山地・東北山間部など、山岳地域が中心。下位10県は関東平野・大阪平野・濃尾平野に面した都市圏と、台地の広い沖縄県・香川県(讃岐平野)など。

高知と大阪は、東京からの距離よりも、「山に対する近さ」で対照的な位置にある。同じ日本列島の中で、国土の使われ方がこれほど違うことは、森林率という一つの数字から読み取ることができる。

全47都道府県 森林率ランキング

2019年の森林率(%)を全47県で並べる。

順位 都道府県 森林率 順位 都道府県 森林率
1 高知県 83.3 25 三重県 64.2
2 岐阜県 79.0 26 群馬県 64.0
3 島根県 78.0 27 鹿児島県 63.7
4 山梨県 77.8 28 青森県 63.6
5 奈良県 76.9 29 新潟県 63.5
6 和歌山県 76.2 30 静岡県 62.8
7 宮崎県 75.5 31 熊本県 61.8
8 徳島県 75.4 32 長崎県 58.5
9 長野県 75.3 33 富山県 56.6
10 岩手県 74.6 34 宮城県 55.4
11 京都府 74.2 35 栃木県 52.9
12 福井県 73.9 36 滋賀県 50.7
13 鳥取県 73.4 37 沖縄県 46.7
14 広島県 71.9 38 香川県 46.4
15 山口県 71.4 39 佐賀県 45.3
16 大分県 70.8 40 福岡県 44.5
17 愛媛県 70.5 41 愛知県 42.1
18 秋田県 70.3 42 神奈川県 38.7
19 山形県 69.0 43 東京都 34.7
20 岡山県 68.1 44 茨城県 32.4
21 福島県 68.0 45 埼玉県 31.4
22 北海道 67.7 46 千葉県 30.1
23 兵庫県 66.9 47 大阪府 29.9
24 石川県 66.3

高知83.3%、大阪29.9%、その差2.79倍

高知県83.3%、岐阜県79.0%、全国平均61.6%、最下位大阪府29.9%。1位と最下位で2.79倍、上位10県は全て森林率70%以上、下位10県は全て60%未満。同じ日本列島の中で、国土の使い方はこれほど違う。森林率は、山の地形と人口集中の関係をそのまま示す指標でもある。


もっと詳しく

データ出典: 林野庁「森林資源の現況」(2019年、総務省「社会・人口統計体系」経由)

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