ものがたり
2020年

100歳以上人口の率が最も高い県は、島根127.5人。沖縄は23位で、最下位埼玉の3.1倍差。

公開日: 2026-05-06
#百歳以上#長寿#島根#沖縄#国勢調査
100歳以上人口の率が最も高い県は、島根127.5人。沖縄は23位で、最下位埼玉の3.1倍差。

100歳以上人口の率が最も高い県は、島根127.5人。沖縄は23位で、最下位埼玉の3.1倍差。

長寿県と言えば、沖縄。そんなイメージを持つ人は多い。

だが、2020年の国勢調査データで「100歳以上人口が人口10万人あたり何人いるか」を都道府県ごとに並べると、景色は想像と違う。

1位は島根県の127.5人。2位は高知県の119.6人、3位は鳥取県の112.0人。1位から3位までを、山陰2県と四国の高知県で占めている。

沖縄県は80.5人で全国23位。47都道府県の単純平均76.7人を少しだけ上回る水準で、上位10県にも入っていない。最下位は埼玉県の41.1人で、1位島根との差は3.10倍にのぼる。

1位は島根、2位高知、3位鳥取。山陰・四国が上位

100歳以上人口(10万人あたり・2020年)

上位10県を並べると、西日本・山陰・四国・九州の厚みが見える。

順位 都道府県 10万人あたり100歳以上
1位 島根県 127.5人
2位 高知県 119.6人
3位 鳥取県 112.0人
4位 鹿児島県 105.0人
5位 熊本県 98.3人
6位 山口県 97.2人
7位 宮崎県 97.2人
8位 長野県 94.6人
9位 愛媛県 93.7人
10位 新潟県 93.4人

47都道府県の単純平均は76.7人/10万人(総人口加重の真の全国値は63.0人で、こちらは大都市の人口比重が大きく効くため低めに出る)。本記事では各県の率を比較する目的に合わせて、47都道府県の単純平均76.7人を基準とする。1位島根はその1.66倍、上位10県すべてが平均の1.2倍以上を記録している。

分布を見ると、西日本の山陰・四国・九州が上位を占め、本州では長野県・新潟県が中央高地と日本海側で食い込む形になっている。首都圏や太平洋ベルト地帯の大都市は、ほぼ上位に入らない。

なぜ島根・高知・鳥取が1〜3位なのか

100歳以上人口を「10万人あたり」で比べる指標は、実数ではなく率で見る。島根・高知・鳥取は人口が相対的に少ない県で、高齢者の比率が高い地域でもある。分母が小さい県は、長寿者の実数が中規模でも率として高く出やすい。

それでも、島根127.5・高知119.6・鳥取112.0という数字は単なる人口構成の偏りだけでは説明しきれない水準にある。温暖で雪が少ない山陰・四国沿岸、海と山のある食生活、家族・近隣の繋がりが相対的に強く残っている地域構造など、複数の要因が重なって長寿につながっていると見られてきた。

ただし、これらの因果関係は一次データから直接特定できるものではなく、仮説の域を出ない。統計の数字だけ見ると、島根・高知・鳥取が47都道府県平均の1.4〜1.7倍という位置にいる、という事実だけが確かだ。

長寿県の沖縄は、23位の80.5人

沖縄県は長寿県の代表として語られてきた。実際、平均寿命(2020年)では女性が全国3位、男性も過去には1位を記録したことがある。しかし「100歳以上の人口率」で見ると、沖縄県は80.5人/10万人で全国23位、47都道府県平均を少し上回る程度の水準にとどまる。

この背景には、いわゆる「沖縄26ショック」と呼ばれる現象がある。戦後世代の食生活の変化や生活習慣病の増加により、沖縄県の平均寿命・長寿者率は2000年以降に相対的な順位を下げてきた。高齢者世代の長寿は残っているが、戦後生まれ以降は他県と差がほぼ無くなっている。

今の沖縄は、「長寿ブランドを歴史的に持っていた県」で、「現役世代まで含めた100歳以上率では中位」という二重構造の状態にあると言える。

最下位は埼玉の41.1人、首都圏勢が下位

下位10県を見ると、首都圏・大都市圏の県が並ぶ。

順位 都道府県 10万人あたり100歳以上
43位 東京都 46.3人
44位 大阪府 46.1人
45位 千葉県 45.2人
46位 愛知県 41.4人
47位 埼玉県 41.1人

最下位の埼玉県41.1人は、1位島根の約32%。差は3.10倍にのぼる。東京・大阪・千葉・愛知・神奈川といった、戦後の高度成長期に他県から流入して人口が急増した地域が下位にまとまっている。

これらの県では「100歳以上の世代」に当たる戦前生まれの住民が相対的に少なく、代わりに30〜50代の中堅世代が多い。つまり、人口構成の若さが「率」を押し下げている面がある。神奈川48.1人、東京46.3人、大阪46.1人と、100歳以上率の下位には首都圏・関西圏の大都市が集中している。「長寿は地方に、現役世代は都市に」という人口の地理が、そのまま率のランキングを反転させているように見える。

全47都道府県ランキング

2020年の国勢調査に基づく、人口10万人あたりの100歳以上人口を全47県で並べる。

順位 都道府県 人数 順位 都道府県 人数
1 島根県 127.5 25 秋田県 76.7
2 高知県 119.6 26 岩手県 76.6
3 鳥取県 112.0 27 北海道 74.5
4 鹿児島県 105.0 28 京都府 73.4
5 熊本県 98.3 29 福島県 71.4
6 山口県 97.2 30 群馬県 69.8
7 宮崎県 97.2 31 福岡県 67.9
8 長野県 94.6 32 静岡県 65.9
9 愛媛県 93.7 33 奈良県 64.9
10 新潟県 93.4 34 岐阜県 63.5
11 香川県 92.0 35 三重県 61.6
12 山梨県 91.1 36 兵庫県 60.5
13 長崎県 89.1 37 滋賀県 59.0
14 大分県 88.7 38 宮城県 57.9
15 佐賀県 87.6 39 青森県 57.7
16 富山県 86.4 40 茨城県 56.0
17 岡山県 84.5 41 栃木県 54.7
18 福井県 83.2 42 神奈川県 48.1
19 広島県 82.1 43 東京都 46.3
20 山形県 82.0 44 大阪府 46.1
21 石川県 81.4 45 千葉県 45.2
22 徳島県 80.5 46 愛知県 41.4
23 沖縄県 80.5 47 埼玉県 41.1
24 和歌山県 78.8

※ 単位は「人口10万人あたりの100歳以上人口(人)」。

島根127.5人、沖縄80.5人、埼玉41.1人

島根県127.5人、沖縄県80.5人、埼玉県41.1人、47都道府県平均76.7人。1位と最下位で3.10倍、長寿イメージの沖縄は中位(23位)、首都圏勢が下位に並ぶ。「100歳以上が多い県」と「長寿県」の定義は、必ずしもイコールではない。戦後の人口移動が作った現役世代の偏りが、高齢者の比率に映り込んで、47都道府県の地図を3倍差に広げている。


もっと詳しく

データ出典: 総務省「国勢調査」(2020年、社会・人口統計体系 SSDSE 経由)

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