ものがたり
2018年

通勤時間が最も長い県は神奈川43.8分。最下位鳥取21.1分で、ほぼ2倍差。

公開日: 2026-05-18
#通勤時間#神奈川#首都圏#鳥取
通勤時間が最も長い県は神奈川43.8分。最下位鳥取21.1分で、ほぼ2倍差。

通勤時間が最も長い県は神奈川43.8分。最下位鳥取21.1分で、ほぼ2倍差。

通勤に1日どれくらい時間をかけるか。これは住む場所によって、別の世界レベルで違う。

総務省の「住宅・土地統計調査」(平成30年/2018年)で、家計を主に支える者が雇用者である世帯ベースの都道府県別の平均通勤時間(片道)を並べると、1位は神奈川県の43.8分。2位千葉県43.2分、3位東京都43.0分、4位埼玉県42.6分。

首都圏1都3県がすべて40分台に並び、他の地域とは大きな差を開けている。5位の奈良県38.4分、6位の大阪府35.2分は30分台で、首都圏4県との間に1段階の落差がある。

47都道府県の単純平均は28.0分(住宅・土地統計の全国値32.9分とは集計母集団・分母の取り方が異なるため別の値になる。本記事では各県値を比較する目的に合わせて、47都道府県の単純平均28.0分を基準とする)。首都圏は47都道府県平均の約1.55倍、最下位の鳥取県21.1分は平均の約75%。1位と最下位で2.08倍の差だ。

神奈川43.8分、首都圏1都3県がすべて40分超

平均通勤時間(2018年)

上位10県を並べると、首都圏と近畿圏の主要県が並ぶ。

順位 都道府県 平均通勤時間
1位 神奈川県 43.8分
2位 千葉県 43.2分
3位 東京都 43.0分
4位 埼玉県 42.6分
5位 奈良県 38.4分
6位 大阪府 35.2分
7位 兵庫県 34.4分
8位 京都府 32.9分
9位 愛知県 31.3分
10位 宮城県 30.9分

首都圏1都3県の差は1.2分以内で、全てほぼ同じ水準。神奈川・千葉・埼玉は「東京都心に通勤する住民」の割合が高く、通勤時間が長くなる。東京都区部や多摩地区から都心への通勤も40分を超えるため、東京都自体も3位に入っている。

5位奈良県は京都・大阪への通勤圏、6位以下の近畿圏はそれ自体が通勤ネットワークを形成している。10位宮城(仙台圏通勤)30.9分・11位福岡30.8分までが30分台を維持し、そこから先は12位茨城29.6分・13位滋賀29.4分・14位広島28.5分と20分台後半が続く。30分台は11都府県のみで、12位以降は全県が30分未満となる。

なぜ首都圏の通勤時間が長いのか

首都圏は、世界でも有数の「郊外型通勤都市圏」として知られる。横浜・川崎・千葉・埼玉のベッドタウンから都心まで、片道1時間以上かけて通勤する住民が多く、住宅価格・広さ・都心アクセスのトレードオフの結果として、郊外居住が選ばれてきた。

通勤時間の長さは、住宅問題・育児・余暇時間など生活の質に直結する指標でもある。神奈川43.8分は片道で、往復で87.6分。1日のうち1時間半近くを通勤に使っている計算になる。

関西圏でも同様の構造があり、奈良・京都・大阪・兵庫が5〜8位に並ぶ。ただし関西の通勤圏は首都圏より少しコンパクトで、30〜38分台にとどまる。

また、首都圏と関西圏の間に位置する中京圏(愛知・岐阜・三重)は、愛知31.3分、岐阜26.8分、三重27.1分で、通勤時間は首都圏より明確に短い。名古屋市を中心とした通勤圏は、地理的に集中度が高く、都心への片道通勤時間が比較的短くて済む構造にある。

最下位は鳥取県の21.1分、首都圏のほぼ半分

下位を見ると、山陰・四国・九州西部の県が並ぶ。

順位 都道府県 平均通勤時間
45位 島根県 22.0分
46位 愛媛県 21.6分
47位 鳥取県 21.1分

最下位の鳥取県21.1分は、1位神奈川県の約48%。差は2.08倍、つまり神奈川は鳥取の約2倍の時間を通勤にかけている。

地方圏では、多くの人が自家用車通勤で、住宅と職場の距離も相対的に近い。都市の大きさが小さく、郊外・都心間の距離がコンパクト。結果として、通勤時間は20分前後で落ち着く。

下位10県(鳥取・愛媛・島根・秋田・山形・宮崎・福井・鹿児島・新潟・大分)はすべて20分台前半〜20分前半で、47都道府県平均28.0分より5〜7分短い。通勤ラッシュに揉まれる時間が、日常生活の中で相対的に少ない地域と言える。

通勤時間が長い=悪い、ではない

通勤時間が長いこと自体は、一方的な「悪い指標」ではない。首都圏のベッドタウン居住には、広い住宅・緑の多い住環境・子育て環境といったメリットもある。一方、通勤時間が短い地方では、残業後の時間や余暇の確保、家族との時間などに好影響があるとされる。

数字だけを見て「勝ち負け」を決めることはできないが、神奈川と鳥取で1日あたり往復45分以上の差があるという事実は、生活リズムや住宅選択にそのまま跳ね返る。

全47都道府県ランキング

2018年の平均通勤時間(片道)を全47県で並べる。

順位 都道府県 順位 都道府県
1 神奈川県 43.8 25 熊本県 25.7
2 千葉県 43.2 26 徳島県 25.5
3 東京都 43.0 27 佐賀県 25.5
4 埼玉県 42.6 28 福島県 25.3
5 奈良県 38.4 29 香川県 25.3
6 大阪府 35.2 30 青森県 25.2
7 兵庫県 34.4 31 和歌山県 25.2
8 京都府 32.9 32 岩手県 25.1
9 愛知県 31.3 33 富山県 24.7
10 宮城県 30.9 34 石川県 24.2
11 福岡県 30.8 35 長野県 24.2
12 茨城県 29.6 36 山口県 24.2
13 滋賀県 29.4 37 高知県 24.1
14 広島県 28.5 38 大分県 23.8
15 沖縄県 28.1 39 新潟県 23.6
16 栃木県 27.7 40 鹿児島県 23.6
17 群馬県 27.2 41 福井県 23.3
18 三重県 27.1 42 宮崎県 22.7
19 岡山県 27.0 43 山形県 22.2
20 長崎県 27.0 44 秋田県 22.0
21 岐阜県 26.8 45 島根県 22.0
22 北海道 26.5 46 愛媛県 21.6
23 静岡県 26.3 47 鳥取県 21.1
24 山梨県 26.1

神奈川43.8分、鳥取21.1分、2.08倍差

神奈川43.8分、千葉43.2分、東京43.0分、埼玉42.6分、47都道府県平均28.0分、最下位鳥取21.1分。首都圏1都3県が40分台で独走し、1位と最下位で約2倍差。同じ日本の中で、通勤という毎日の時間の使い方が倍違っている。通勤時間の長短は、単なる数字ではなく、毎日の生活の中で繰り返される時間の差として積み上がる。


もっと詳しく

データ出典: 総務省「住宅・土地統計調査」(平成30年/2018年)

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