通勤時間が最も長い県は神奈川43.8分。最下位鳥取21.1分で、ほぼ2倍差。

通勤時間が最も長い県は神奈川43.8分。最下位鳥取21.1分で、ほぼ2倍差。
通勤に1日どれくらい時間をかけるか。これは住む場所によって、別の世界レベルで違う。
総務省の「住宅・土地統計調査」(平成30年/2018年)で、家計を主に支える者が雇用者である世帯ベースの都道府県別の平均通勤時間(片道)を並べると、1位は神奈川県の43.8分。2位千葉県43.2分、3位東京都43.0分、4位埼玉県42.6分。
首都圏1都3県がすべて40分台に並び、他の地域とは大きな差を開けている。5位の奈良県38.4分、6位の大阪府35.2分は30分台で、首都圏4県との間に1段階の落差がある。
47都道府県の単純平均は28.0分(住宅・土地統計の全国値32.9分とは集計母集団・分母の取り方が異なるため別の値になる。本記事では各県値を比較する目的に合わせて、47都道府県の単純平均28.0分を基準とする)。首都圏は47都道府県平均の約1.55倍、最下位の鳥取県21.1分は平均の約75%。1位と最下位で2.08倍の差だ。
神奈川43.8分、首都圏1都3県がすべて40分超

上位10県を並べると、首都圏と近畿圏の主要県が並ぶ。
| 順位 | 都道府県 | 平均通勤時間 |
|---|---|---|
| 1位 | 神奈川県 | 43.8分 |
| 2位 | 千葉県 | 43.2分 |
| 3位 | 東京都 | 43.0分 |
| 4位 | 埼玉県 | 42.6分 |
| 5位 | 奈良県 | 38.4分 |
| 6位 | 大阪府 | 35.2分 |
| 7位 | 兵庫県 | 34.4分 |
| 8位 | 京都府 | 32.9分 |
| 9位 | 愛知県 | 31.3分 |
| 10位 | 宮城県 | 30.9分 |
首都圏1都3県の差は1.2分以内で、全てほぼ同じ水準。神奈川・千葉・埼玉は「東京都心に通勤する住民」の割合が高く、通勤時間が長くなる。東京都区部や多摩地区から都心への通勤も40分を超えるため、東京都自体も3位に入っている。
5位奈良県は京都・大阪への通勤圏、6位以下の近畿圏はそれ自体が通勤ネットワークを形成している。10位宮城(仙台圏通勤)30.9分・11位福岡30.8分までが30分台を維持し、そこから先は12位茨城29.6分・13位滋賀29.4分・14位広島28.5分と20分台後半が続く。30分台は11都府県のみで、12位以降は全県が30分未満となる。
なぜ首都圏の通勤時間が長いのか
首都圏は、世界でも有数の「郊外型通勤都市圏」として知られる。横浜・川崎・千葉・埼玉のベッドタウンから都心まで、片道1時間以上かけて通勤する住民が多く、住宅価格・広さ・都心アクセスのトレードオフの結果として、郊外居住が選ばれてきた。
通勤時間の長さは、住宅問題・育児・余暇時間など生活の質に直結する指標でもある。神奈川43.8分は片道で、往復で87.6分。1日のうち1時間半近くを通勤に使っている計算になる。
関西圏でも同様の構造があり、奈良・京都・大阪・兵庫が5〜8位に並ぶ。ただし関西の通勤圏は首都圏より少しコンパクトで、30〜38分台にとどまる。
また、首都圏と関西圏の間に位置する中京圏(愛知・岐阜・三重)は、愛知31.3分、岐阜26.8分、三重27.1分で、通勤時間は首都圏より明確に短い。名古屋市を中心とした通勤圏は、地理的に集中度が高く、都心への片道通勤時間が比較的短くて済む構造にある。
最下位は鳥取県の21.1分、首都圏のほぼ半分
下位を見ると、山陰・四国・九州西部の県が並ぶ。
| 順位 | 都道府県 | 平均通勤時間 |
|---|---|---|
| 45位 | 島根県 | 22.0分 |
| 46位 | 愛媛県 | 21.6分 |
| 47位 | 鳥取県 | 21.1分 |
最下位の鳥取県21.1分は、1位神奈川県の約48%。差は2.08倍、つまり神奈川は鳥取の約2倍の時間を通勤にかけている。
地方圏では、多くの人が自家用車通勤で、住宅と職場の距離も相対的に近い。都市の大きさが小さく、郊外・都心間の距離がコンパクト。結果として、通勤時間は20分前後で落ち着く。
下位10県(鳥取・愛媛・島根・秋田・山形・宮崎・福井・鹿児島・新潟・大分)はすべて20分台前半〜20分前半で、47都道府県平均28.0分より5〜7分短い。通勤ラッシュに揉まれる時間が、日常生活の中で相対的に少ない地域と言える。
通勤時間が長い=悪い、ではない
通勤時間が長いこと自体は、一方的な「悪い指標」ではない。首都圏のベッドタウン居住には、広い住宅・緑の多い住環境・子育て環境といったメリットもある。一方、通勤時間が短い地方では、残業後の時間や余暇の確保、家族との時間などに好影響があるとされる。
数字だけを見て「勝ち負け」を決めることはできないが、神奈川と鳥取で1日あたり往復45分以上の差があるという事実は、生活リズムや住宅選択にそのまま跳ね返る。
全47都道府県ランキング
2018年の平均通勤時間(片道)を全47県で並べる。
| 順位 | 都道府県 | 分 | 順位 | 都道府県 | 分 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 神奈川県 | 43.8 | 25 | 熊本県 | 25.7 | |
| 2 | 千葉県 | 43.2 | 26 | 徳島県 | 25.5 | |
| 3 | 東京都 | 43.0 | 27 | 佐賀県 | 25.5 | |
| 4 | 埼玉県 | 42.6 | 28 | 福島県 | 25.3 | |
| 5 | 奈良県 | 38.4 | 29 | 香川県 | 25.3 | |
| 6 | 大阪府 | 35.2 | 30 | 青森県 | 25.2 | |
| 7 | 兵庫県 | 34.4 | 31 | 和歌山県 | 25.2 | |
| 8 | 京都府 | 32.9 | 32 | 岩手県 | 25.1 | |
| 9 | 愛知県 | 31.3 | 33 | 富山県 | 24.7 | |
| 10 | 宮城県 | 30.9 | 34 | 石川県 | 24.2 | |
| 11 | 福岡県 | 30.8 | 35 | 長野県 | 24.2 | |
| 12 | 茨城県 | 29.6 | 36 | 山口県 | 24.2 | |
| 13 | 滋賀県 | 29.4 | 37 | 高知県 | 24.1 | |
| 14 | 広島県 | 28.5 | 38 | 大分県 | 23.8 | |
| 15 | 沖縄県 | 28.1 | 39 | 新潟県 | 23.6 | |
| 16 | 栃木県 | 27.7 | 40 | 鹿児島県 | 23.6 | |
| 17 | 群馬県 | 27.2 | 41 | 福井県 | 23.3 | |
| 18 | 三重県 | 27.1 | 42 | 宮崎県 | 22.7 | |
| 19 | 岡山県 | 27.0 | 43 | 山形県 | 22.2 | |
| 20 | 長崎県 | 27.0 | 44 | 秋田県 | 22.0 | |
| 21 | 岐阜県 | 26.8 | 45 | 島根県 | 22.0 | |
| 22 | 北海道 | 26.5 | 46 | 愛媛県 | 21.6 | |
| 23 | 静岡県 | 26.3 | 47 | 鳥取県 | 21.1 | |
| 24 | 山梨県 | 26.1 |
神奈川43.8分、鳥取21.1分、2.08倍差
神奈川43.8分、千葉43.2分、東京43.0分、埼玉42.6分、47都道府県平均28.0分、最下位鳥取21.1分。首都圏1都3県が40分台で独走し、1位と最下位で約2倍差。同じ日本の中で、通勤という毎日の時間の使い方が倍違っている。通勤時間の長短は、単なる数字ではなく、毎日の生活の中で繰り返される時間の差として積み上がる。
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データ出典: 総務省「住宅・土地統計調査」(平成30年/2018年)



