GI登録1位は北海道11件と熊本11件のタイ。首都圏3県(埼玉・千葉・神奈川)は0件で東京も1件のみ。

GI登録1位は北海道11件と熊本11件のタイ。首都圏3県(埼玉・千葉・神奈川)は0件で東京も1件のみ。
「ブランド産品=大都市の経済圏が中心」というイメージは、公的なブランド認定の数で見ると逆になる。
農林水産省「地理的表示(GI)保護制度 登録産品一覧」(2026年3月時点)の都道府県別登録数では、47県合計167件、全国平均3.55件/県。1位は北海道11件と熊本県11件のタイ。3位タイの岩手県・鹿児島県9件と続き、上位10県のうち4県(岩手・福島・青森・秋田)が東北勢で占められる。
ところが首都圏3県(埼玉・千葉・神奈川)は登録0件で47県中タイ最下位。東京都も1件のみ(36位タイ)、大阪・京都も2件(29位タイ)で全国平均3.55件を下回る。「ブランド=大都市の経済力」とは逆に、農産・畜産・水産の生産地が強い構造になっている。

数字の前に:データの定義
GI(Geographical Indication)は、農林水産省が運営する「地理的表示保護制度」(2014年法律施行)に基づく公的な産品認定。地域名と産品名を結びつけたブランドを国が登録し、不正使用に対する取締権限を国が持つ仕組み。
夕張メロン、神戸ビーフ、市田柿、八丁味噌、宇治抹茶などが代表例。登録には「地域特性と品質が結びつく根拠」「30年以上の生産実績」「生産者団体の管理体制」など複数の条件を満たす必要があり、地域ブランドの「最も公的な認定」と位置づけられる。
本記事のデータは2026年3月時点の登録一覧(167件)を、各産品の「主たる生産地」(都道府県単位)で集計したもの。複数県にまたがる産品は本HTMLに含まれる代表県への割当て。
1位タイは北海道11件と熊本11件、東北4県が上位独占
GI登録数の上位10県を並べると、地方県の集中が際立つ。
| 順位 | 都道府県 | 登録数 |
|---|---|---|
| 1位 | 北海道 | 11件 |
| 1位 | 熊本県 | 11件 |
| 3位 | 岩手県 | 9件 |
| 3位 | 鹿児島県 | 9件 |
| 5位 | 福島県 | 7件 |
| 5位 | 青森県 | 7件 |
| 7位 | 兵庫県 | 6件 |
| 7位 | 秋田県 | 6件 |
| 9位 | 山形県 | 5件 |
| 9位 | 沖縄県 | 5件 |
| 9位 | 福井県 | 5件 |
| 9位 | 茨城県 | 5件 |
| 9位 | 鳥取県 | 5件 |
1位の北海道と熊本県が11件で並ぶ構造。「北海道独走」のイメージはGI登録では成立せず、九州勢の熊本県が同数1位を取る。
上位10県のうち東北勢が4県(岩手・福島・青森・秋田)を占め、計29件で全国(167件)の17.4%。「東北=食材ブランド王国」が数値で見える形になっている。九州勢も熊本・鹿児島の2県で20件、上位10には沖縄も入る。
首都圏3県(埼玉・千葉・神奈川)は0件、東京も1件のみ
最下位帯は首都圏が独占する。
| 順位 | 都道府県 | 登録数 |
|---|---|---|
| 36位 | 東京都 | 1件 |
| 36位 | 群馬県 | 1件 |
| 36位 | 高知県 | 1件 |
| 45位 | 埼玉県 | 0件 |
| 45位 | 千葉県 | 0件 |
| 45位 | 神奈川県 | 0件 |
首都圏3県(埼玉・千葉・神奈川)は登録0件で45位タイ最下位。47県の中でこの3県だけが0件にとどまる。東京都も1件のみで36位タイ。
近畿圏も大阪・京都ともに2件(29位タイ)で全国平均を下回る。3大都市圏(首都圏・近畿・中京)の中心府県は、いずれも全国平均3.55件を下回り、中京の愛知も3件(22位タイ)にとどまる。
「経済規模=ブランド力」の常識に反して、GI登録では生産者団体の管理体制と「30年以上の生産実績」が要件となるため、農産・畜産・水産の生産集積地が強くなる構造がある。首都圏3県は人口・経済規模では全国上位だが、農産物の地域ブランド集積では下位に沈む。

「ブランド=大都市」常識との逆説
47県のGI登録数の地理を眺めると、経済規模との逆相関が見える。人口・GDP上位の首都圏3県(神奈川3位・埼玉5位・千葉6位)が登録0件で、人口下位の岩手(32位)・秋田(38位)・福井(43位)が上位10入りする構造。
| 県 | 人口順位 | GI登録数 | GI登録順位 |
|---|---|---|---|
| 神奈川県 | 2位 | 0件 | 45位 |
| 埼玉県 | 5位 | 0件 | 45位 |
| 千葉県 | 6位 | 0件 | 45位 |
| 北海道 | 8位 | 11件 | 1位 |
| 熊本県 | 23位 | 11件 | 1位 |
| 岩手県 | 32位 | 9件 | 3位 |
| 秋田県 | 38位 | 6件 | 7位 |
GIは「地域特性と品質の結びつき」「30年以上の生産実績」を要件とするため、農産・畜産・水産の生産集積と、生産者団体の組織化が登録のカギになる。首都圏3県は近郊野菜などの生産地でもあるが、首都圏向けの大量供給型農業が中心で「特定地域名+固有品質」のブランド構築には向きにくい。一方、北海道・東北・九州は生産規模に加えて、生産者団体の地域内組織化が進んでいる。
全47都道府県 GI登録数ランキング
2026年3月時点のGI(地理的表示)登録産品の都道府県別件数を全47県で並べる。同率順位は同位扱い。全国合計167件、全国平均3.55件/県。
| 順位 | 都道府県 | 登録数 | 順位 | 都道府県 | 登録数 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 北海道 | 11件 | 22 | 岐阜県 | 3件 | |
| 1 | 熊本県 | 11件 | 22 | 愛知県 | 3件 | |
| 3 | 岩手県 | 9件 | 22 | 新潟県 | 3件 | |
| 3 | 鹿児島県 | 9件 | 22 | 石川県 | 3件 | |
| 5 | 福島県 | 7件 | 29 | 京都府 | 2件 | |
| 5 | 青森県 | 7件 | 29 | 大阪府 | 2件 | |
| 7 | 兵庫県 | 6件 | 29 | 岡山県 | 2件 | |
| 7 | 秋田県 | 6件 | 29 | 栃木県 | 2件 | |
| 9 | 山形県 | 5件 | 29 | 福岡県 | 2件 | |
| 9 | 沖縄県 | 5件 | 29 | 長崎県 | 2件 | |
| 9 | 福井県 | 5件 | 29 | 長野県 | 2件 | |
| 9 | 茨城県 | 5件 | 36 | 三重県 | 1件 | |
| 9 | 鳥取県 | 5件 | 36 | 佐賀県 | 1件 | |
| 14 | 宮城県 | 4件 | 36 | 大分県 | 1件 | |
| 14 | 山口県 | 4件 | 36 | 奈良県 | 1件 | |
| 14 | 島根県 | 4件 | 36 | 山梨県 | 1件 | |
| 14 | 広島県 | 4件 | 36 | 愛媛県 | 1件 | |
| 14 | 徳島県 | 4件 | 36 | 東京都 | 1件 | |
| 14 | 滋賀県 | 4件 | 36 | 群馬県 | 1件 | |
| 14 | 静岡県 | 4件 | 36 | 高知県 | 1件 | |
| 14 | 香川県 | 4件 | 45 | 千葉県 | 0件 | |
| 22 | 和歌山県 | 3件 | 45 | 埼玉県 | 0件 | |
| 22 | 宮崎県 | 3件 | 45 | 神奈川県 | 0件 | |
| 22 | 富山県 | 3件 |
注:単位は件。データは農林水産省「地理的表示(GI)保護制度 登録産品一覧」2026年3月時点。各産品の主たる生産地(都道府県)で集計。同率順位は同位扱い。
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データ出典: 農林水産省「地理的表示(GI)保護制度 登録産品一覧」(2026年3月時点)



