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2024年

光回線利用率は1位東京70.0%、最下位の山口39.0%。中国地方3県が下位独占で1.79倍差。

公開日: 2026-05-12
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光回線利用率は1位東京70.0%、最下位の山口39.0%。中国地方3県が下位独占で1.79倍差。

光回線利用率は1位東京70.0%、最下位の山口39.0%。中国地方3県が下位独占で1.79倍差。

スマートフォン保有率、SNS利用率、ECなど、ICTに関する指標は地域差が比較的小さい(1.2〜1.4倍程度)。

ところが、光回線(FTTH)の世帯利用率だけは1.79倍差で、47都道府県の中で最も格差が大きい指標になっている。

総務省「通信利用動向調査」(2024年)の都道府県別データで、世帯の光回線利用率は1位 東京都の70.0%から、最下位 山口県の39.0%まで47県で並ぶ。差は31.0ポイント、倍率は1.79倍。

最下位3県は山口(39.0%)・鳥取(40.6%)・島根(42.8%)の中国地方3県で独占。中国地方の固定回線の選択・普及構造(インフラ整備の進度+住民の契約選好)が首都圏や近畿圏と異なる姿が、数字に表れている。

全国平均は57.1%。1位東京は全国平均の1.23倍、最下位山口は0.68倍にあたる。

光回線利用率 47県ランキング

数字の前に:データの定義

このランキングは総務省「通信利用動向調査」(2024年実施・令和6年版)の都道府県別集計から、世帯における光回線(FTTH=Fiber To The Home)の利用率を取得した値。

「光回線利用率」は、自宅でインターネットを利用する世帯のうち、光ファイバー(FTTH)によるブロードバンド回線を利用している世帯の割合。分母は「全世帯」ではなく「自宅ネット利用世帯」で、自宅でネットを使わない世帯は含まれない。CATV(ケーブルテレビ系)・モバイルWi-Fi・ホームルーターなどを主に使う世帯は、本指標では光回線利用としては計上されない。

つまりこの指標は、光ファイバーが家まで届いているか(インフラ整備)と、世帯が光回線を選ぶか(契約選好+代替手段との比較)の両方が混ざった数字として読む必要がある。

1位は東京都70.0%、上位5県は地域分散

光回線利用率の上位5県は、地域分散が見える。

順位 都道府県 光回線利用率
1位 東京都 70.0%
2位 静岡県 69.7%
3位 熊本県 67.5%
4位 京都府 67.1%
5位 福島県 65.9%
5位 埼玉県 65.9%
7位 宮城県 65.8%

1位東京は予想通りだが、2位静岡(69.7%)が東京と僅差で続く。3位熊本(67.5%)は九州、4位京都(67.1%)は近畿、5位タイの福島・埼玉(65.9%)は東北・関東。1位を除けば「全国に分散している」のが上位の特徴。

東京・静岡は人口集中地で需要が高く、結果として光回線の選択・普及が先行した地域。熊本・京都・福島は地方都市部で光回線の選択・普及が進んでいる。

最下位3県は中国地方が独占

下位5県を並べると、中国地方3県の集中が目立つ。

順位 都道府県 光回線利用率 1位東京との差
47位 山口県 39.0% -31.0pt
46位 鳥取県 40.6% -29.4pt
45位 島根県 42.8% -27.2pt
44位 宮崎県 44.3% -25.7pt
43位 大分県 45.4% -24.6pt

山口39.0%、鳥取40.6%、島根42.8%の中国地方3県が47-46-45位を独占。続く44位宮崎、43位大分は九州。「中国地方の日本海側・本州西端+九州」が下位5県を占める構図。

最下位の山口県は1位東京70.0%の0.557倍、約56%の利用率にとどまる。世帯あたりで考えると、東京の約3世帯に2世帯が光回線を使う一方、山口は約2.5世帯に1世帯。日常のネット環境がここまで違う。

1.79倍差はICT 7指標中で最大

光回線利用率の地域差(1位/最下位 1.79倍)は、ICT分野の他の指標と比べて飛び抜けて大きい。

指標 1位 最下位 倍率
光回線(FTTH)利用率 東京70.0% 山口39.0% 1.79倍
PC保有率 東京76.8% 鹿児島50.3% 1.53倍
EC利用率 東京69.8% 福島49.2% 1.42倍
スマホ保有率 東京85.6% 岩手68.0% 1.26倍
個人ネット利用率 神奈川90.1% 岩手72.2% 1.25倍
SNS利用率 神奈川83.6% 秋田67.6% 1.24倍
世帯ネット利用率 京都94.2% 岩手77.5% 1.22倍

スマホ・SNS・ネット利用率はどれも1.2〜1.3倍程度の差で、47県でほぼ普及しきっている。一方、光回線とPC保有率(PC=据置PC、ノートPC)が比較的大きな格差を残している。

「個人デバイスのデジタル化(スマホ)」は全国に広く浸透した一方、「世帯ベースの固定インフラ(光回線・PC)」では地域差が残っている、という構造が読み取れる。

ICT 7指標の地域差倍率比較

中国地方の固定回線事情:インフラと契約選好の両面

山口・鳥取・島根の3県が光回線下位独占の背景には、インフラ整備と契約選好の両方が関わる構造的要因がある。

第一に、人口密度の低さ。鳥取県の人口は53.5万人、島根県は64.8万人で、全国でも下位の県。光ファイバー敷設は世帯密度に応じてコストが変わるため、地理的に分散した地域ほど整備が遅れやすい。

第二に、地形。中国山地が県を分断し、ケーブル敷設に物理的なコストがかかる。山口は本州最西端で、瀬戸内海沿岸と日本海側の両方に住居が分散する。

第三に、CATV・モバイル代替の存在。中国地方ではCATV(ケーブルテレビ)の普及が比較的高く、家庭のブロードバンドとしてCATV経由を選ぶ世帯が多い。本調査の「光回線利用率」はCATVを含まないため、CATV普及県では数字が抑えられる側面もある。

ただし、上位の福島県(65.9%)も人口密度・地形条件は中国地方と類似する地方県だが、光回線利用率は健闘している。「人口密度の差」だけでは説明できない部分もある。

通信インフラの地域差は固定回線に残った

47県の光回線分布を眺めると、ICT普及における「最後の格差」が固定通信インフラに集中していることが見える。

スマートフォンが全国でほぼ均等に普及した結果、「個人のネット接続」での地域差はほぼ消えた。ところが「世帯の固定光回線」では1.79倍の差が残っている。これは家庭・職場でのリモートワーク、動画ストリーミング、クラウドサービスの利用に直結する基盤の差だ。

光回線は携帯通信と違って、固定回線への投資と世帯側の選択が進みやすい地域とそうでない地域で大きな差が出る。1位東京70.0%と最下位山口39.0%の31ポイント差は、デジタル時代の地域格差として見えにくい部分にある。

全47都道府県 光回線利用率ランキング

2024年の都道府県別 世帯光回線(FTTH)利用率を全47県で並べる。単位は%、全国平均は57.1%。

順位 都道府県 利用率 順位 都道府県 利用率
1 東京都 70.0% 25 奈良県 57.0%
2 静岡県 69.7% 26 栃木県 56.9%
3 熊本県 67.5% 27 岩手県 56.8%
4 京都府 67.1% 28 高知県 56.7%
5 福島県 65.9% 29 愛知県 56.0%
5 埼玉県 65.9% 29 福岡県 56.0%
7 宮城県 65.8% 29 佐賀県 56.0%
8 茨城県 65.5% 32 大阪府 55.2%
9 北海道 65.3% 33 岐阜県 53.4%
10 和歌山県 65.2% 34 岡山県 51.8%
11 山形県 64.7% 35 秋田県 50.7%
12 新潟県 64.3% 36 広島県 49.3%
12 長野県 64.3% 37 長崎県 49.2%
14 千葉県 63.9% 38 徳島県 48.4%
15 群馬県 62.2% 39 富山県 48.2%
15 滋賀県 62.2% 40 福井県 47.1%
15 兵庫県 62.2% 40 愛媛県 47.1%
18 鹿児島県 62.1% 42 三重県 46.6%
19 沖縄県 61.0% 43 大分県 45.4%
20 石川県 60.3% 44 宮崎県 44.3%
21 香川県 59.9% 45 島根県 42.8%
22 青森県 59.5% 46 鳥取県 40.6%
23 神奈川県 58.1% 47 山口県 39.0%
24 山梨県 57.2%

注:単位は%。「利用率」は自宅でインターネットを利用する世帯における光回線(FTTH)の利用世帯割合(分母は全世帯ではなく自宅ネット利用世帯)。データは総務省「通信利用動向調査」2024年実施分(令和6年版)。


もっと詳しく

データ出典: 総務省「通信利用動向調査」(2024年実施・令和6年版、世帯における光回線利用率)

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