ものがたり
令和6年度(令和7年3月末現在)

源泉数1位は大分県5,094本。2位の鹿児島2,735本を1.86倍引き離す。

公開日: 2026-05-15
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源泉数1位は大分県5,094本。2位の鹿児島2,735本を1.86倍引き離す。

源泉数1位は大分県5,094本。2位の鹿児島2,735本を1.86倍引き離す。

温泉の数を都道府県で比べると、大分の独走が目を引く。

環境省が毎年集計している「温泉利用状況」(令和6年度・令和7年3月末現在)で、都道府県別の源泉総数を並べると、1位は大分県の5,094本。2位鹿児島県の2,735本を約1.86倍引き離し、唯一5,000本を超えている。

3位は北海道2,249本、4位静岡県2,185本、5位熊本県1,339本。上位4県だけが2,000本を上回っており、5位以下とは明確な段差がある。全国平均は594本で、大分はその8.58倍、最下位の沖縄県22本とは231倍の差がある。同じ47都道府県の比較でここまで1位が引き離す指標は、家計調査・人口統計を含めてもそれほど多くない。

大分5,094本、鹿児島2,735本、九州と北日本が上位

源泉総数(令和6年度・令和7年3月末現在)

上位10県を並べると、温泉大国のイメージどおりの並びが見える。

順位 都道府県 源泉総数
1位 大分県 5,094本
2位 鹿児島県 2,735本
3位 北海道 2,249本
4位 静岡県 2,185本
5位 熊本県 1,339本
6位 青森県 1,089本
7位 長野県 955本
8位 福島県 799本
9位 宮城県 740本
10位 栃木県 633本

全国平均は594本。1位大分はその8.58倍、2位鹿児島は4.6倍。大分県の5,094本という数字は、全国平均の8倍を超える突出した値だ。

九州からは大分・鹿児島・熊本の3県、北日本からは北海道・青森・福島・宮城の4県がトップ10入り。火山帯に沿った地域が上位を占め、地熱源の豊富さと源泉数が相関している構造が見える。

4位静岡2,185本は富士山の伏流水と伊豆半島の温泉地帯、7位長野955本は白骨温泉・乗鞍などの山岳温泉を抱える。火山列島としての日本の特徴が、源泉数の地図に残っている。

なぜ大分県が1位なのか

大分県は別府温泉と由布院温泉という2大温泉地に加え、県内全域に源泉が分布している。別府温泉は世界有数の湧出量を誇る温泉地として知られ、市内だけで約2,000本の源泉がある。

大分県全体で5,094本という数字は、県の面積から見ても密度が極めて高い。地形としては阿蘇外輪山の東側、霧島火山帯の延長上に位置し、地熱の供給が厚い地域になっている。

この「別府+由布院+県内各地」の足し算が、2位鹿児島を大きく引き離す理由となっている。鹿児島県の2,735本も、桜島・霧島・指宿と主要温泉地を抱えて全国トップクラスではあるが、大分の厚みには届かない。

別府温泉1地区だけで源泉約2,000本という密度は、他の都道府県が県全体で抱える源泉数をそのまま上回る水準だ。大分県は「温泉の県」と言われるが、数字で見ると「温泉の世界的密集地」と言ったほうが近い。

最下位は沖縄県の22本、231倍差

下位を見ると、火山帯から外れた地域が並ぶ。

順位 都道府県 源泉総数
45位 徳島県 82本
46位 奈良県 77本
47位 沖縄県 22本

最下位の沖縄県22本は、1位大分県5,094本の約0.4%。差は約231倍にのぼる。沖縄県は火山活動が限定的で、温泉の多くは「冷鉱泉」「海洋深層水」由来のものが中心。伝統的な湯治文化としての源泉は少ない地域だ。

奈良県77本、徳島県82本、滋賀県86本、高知県96本と、近畿内陸部・四国・関西に下位が並ぶ。地熱の通り道から外れた内陸の県、あるいは火山活動の薄い地域が、源泉数では少なくなっている。

茨城県157本、埼玉県117本、千葉県144本、愛知県133本、京都府146本など、首都圏・中部・近畿の平野部の県も100本台の中位〜下位にとどまる。火山活動と都市機能は別物で、源泉の地図は都市集中の地図とまったく違う方向を指す。日常的に温泉に触れる機会は、地熱が豊富な地域のほうが圧倒的に多い。

全47都道府県ランキング

令和6年度(令和7年3月末現在)の源泉総数を全47県で並べる。

順位 都道府県 源泉数 順位 都道府県 源泉数
1 大分県 5,094 25 山梨県 304
2 鹿児島県 2,735 26 島根県 267
3 北海道 2,249 27 岡山県 221
4 静岡県 2,185 28 三重県 214
5 熊本県 1,339 29 長崎県 203
6 青森県 1,089 30 香川県 200
7 長野県 955 31 宮崎県 199
8 福島県 799 32 愛媛県 192
9 宮城県 740 33 佐賀県 187
10 栃木県 633 34 大阪府 173
11 秋田県 616 35 富山県 169
12 神奈川県 602 36 東京都 168
13 新潟県 536 37 福井県 158
14 岐阜県 506 38 茨城県 157
15 和歌山県 506 39 京都府 146
16 群馬県 459 40 千葉県 144
17 兵庫県 443 41 愛知県 133
18 福岡県 422 42 埼玉県 117
19 山形県 412 43 高知県 96
20 山口県 404 44 滋賀県 86
21 岩手県 393 45 徳島県 82
22 広島県 374 46 奈良県 77
23 鳥取県 363 47 沖縄県 22
24 石川県 330

大分5,094本、沖縄22本、全国平均594本

大分県5,094本、鹿児島県2,735本、北海道2,249本、全国平均594本、最下位沖縄県22本。1位と最下位で231倍、1位と2位の差だけで1.86倍。同じ日本列島の地下から、これだけ違う温泉資源が湧いている。火山帯の走る道筋と、源泉数のランキングは、ほぼ重なって見える。

温泉地の数(観光地としてのまとまり)で見ると、1位北海道226、2位長野193、3位新潟135とランキングは別の顔を見せる。大分県は温泉地数では63で6位だが、1地点あたりの源泉数が圧倒的に多い。「数」と「地区の広がり」は別の指標で、両方を合わせて初めて日本の温泉地図が見えてくる。


もっと詳しく

データ出典: 環境省「温泉利用状況」(令和6年度・令和7年3月末現在)

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