源泉数1位は大分県5,094本。2位の鹿児島2,735本を1.86倍引き離す。

源泉数1位は大分県5,094本。2位の鹿児島2,735本を1.86倍引き離す。
温泉の数を都道府県で比べると、大分の独走が目を引く。
環境省が毎年集計している「温泉利用状況」(令和6年度・令和7年3月末現在)で、都道府県別の源泉総数を並べると、1位は大分県の5,094本。2位鹿児島県の2,735本を約1.86倍引き離し、唯一5,000本を超えている。
3位は北海道2,249本、4位静岡県2,185本、5位熊本県1,339本。上位4県だけが2,000本を上回っており、5位以下とは明確な段差がある。全国平均は594本で、大分はその8.58倍、最下位の沖縄県22本とは231倍の差がある。同じ47都道府県の比較でここまで1位が引き離す指標は、家計調査・人口統計を含めてもそれほど多くない。
大分5,094本、鹿児島2,735本、九州と北日本が上位

上位10県を並べると、温泉大国のイメージどおりの並びが見える。
| 順位 | 都道府県 | 源泉総数 |
|---|---|---|
| 1位 | 大分県 | 5,094本 |
| 2位 | 鹿児島県 | 2,735本 |
| 3位 | 北海道 | 2,249本 |
| 4位 | 静岡県 | 2,185本 |
| 5位 | 熊本県 | 1,339本 |
| 6位 | 青森県 | 1,089本 |
| 7位 | 長野県 | 955本 |
| 8位 | 福島県 | 799本 |
| 9位 | 宮城県 | 740本 |
| 10位 | 栃木県 | 633本 |
全国平均は594本。1位大分はその8.58倍、2位鹿児島は4.6倍。大分県の5,094本という数字は、全国平均の8倍を超える突出した値だ。
九州からは大分・鹿児島・熊本の3県、北日本からは北海道・青森・福島・宮城の4県がトップ10入り。火山帯に沿った地域が上位を占め、地熱源の豊富さと源泉数が相関している構造が見える。
4位静岡2,185本は富士山の伏流水と伊豆半島の温泉地帯、7位長野955本は白骨温泉・乗鞍などの山岳温泉を抱える。火山列島としての日本の特徴が、源泉数の地図に残っている。
なぜ大分県が1位なのか
大分県は別府温泉と由布院温泉という2大温泉地に加え、県内全域に源泉が分布している。別府温泉は世界有数の湧出量を誇る温泉地として知られ、市内だけで約2,000本の源泉がある。
大分県全体で5,094本という数字は、県の面積から見ても密度が極めて高い。地形としては阿蘇外輪山の東側、霧島火山帯の延長上に位置し、地熱の供給が厚い地域になっている。
この「別府+由布院+県内各地」の足し算が、2位鹿児島を大きく引き離す理由となっている。鹿児島県の2,735本も、桜島・霧島・指宿と主要温泉地を抱えて全国トップクラスではあるが、大分の厚みには届かない。
別府温泉1地区だけで源泉約2,000本という密度は、他の都道府県が県全体で抱える源泉数をそのまま上回る水準だ。大分県は「温泉の県」と言われるが、数字で見ると「温泉の世界的密集地」と言ったほうが近い。
最下位は沖縄県の22本、231倍差
下位を見ると、火山帯から外れた地域が並ぶ。
| 順位 | 都道府県 | 源泉総数 |
|---|---|---|
| 45位 | 徳島県 | 82本 |
| 46位 | 奈良県 | 77本 |
| 47位 | 沖縄県 | 22本 |
最下位の沖縄県22本は、1位大分県5,094本の約0.4%。差は約231倍にのぼる。沖縄県は火山活動が限定的で、温泉の多くは「冷鉱泉」「海洋深層水」由来のものが中心。伝統的な湯治文化としての源泉は少ない地域だ。
奈良県77本、徳島県82本、滋賀県86本、高知県96本と、近畿内陸部・四国・関西に下位が並ぶ。地熱の通り道から外れた内陸の県、あるいは火山活動の薄い地域が、源泉数では少なくなっている。
茨城県157本、埼玉県117本、千葉県144本、愛知県133本、京都府146本など、首都圏・中部・近畿の平野部の県も100本台の中位〜下位にとどまる。火山活動と都市機能は別物で、源泉の地図は都市集中の地図とまったく違う方向を指す。日常的に温泉に触れる機会は、地熱が豊富な地域のほうが圧倒的に多い。
全47都道府県ランキング
令和6年度(令和7年3月末現在)の源泉総数を全47県で並べる。
| 順位 | 都道府県 | 源泉数 | 順位 | 都道府県 | 源泉数 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 大分県 | 5,094 | 25 | 山梨県 | 304 | |
| 2 | 鹿児島県 | 2,735 | 26 | 島根県 | 267 | |
| 3 | 北海道 | 2,249 | 27 | 岡山県 | 221 | |
| 4 | 静岡県 | 2,185 | 28 | 三重県 | 214 | |
| 5 | 熊本県 | 1,339 | 29 | 長崎県 | 203 | |
| 6 | 青森県 | 1,089 | 30 | 香川県 | 200 | |
| 7 | 長野県 | 955 | 31 | 宮崎県 | 199 | |
| 8 | 福島県 | 799 | 32 | 愛媛県 | 192 | |
| 9 | 宮城県 | 740 | 33 | 佐賀県 | 187 | |
| 10 | 栃木県 | 633 | 34 | 大阪府 | 173 | |
| 11 | 秋田県 | 616 | 35 | 富山県 | 169 | |
| 12 | 神奈川県 | 602 | 36 | 東京都 | 168 | |
| 13 | 新潟県 | 536 | 37 | 福井県 | 158 | |
| 14 | 岐阜県 | 506 | 38 | 茨城県 | 157 | |
| 15 | 和歌山県 | 506 | 39 | 京都府 | 146 | |
| 16 | 群馬県 | 459 | 40 | 千葉県 | 144 | |
| 17 | 兵庫県 | 443 | 41 | 愛知県 | 133 | |
| 18 | 福岡県 | 422 | 42 | 埼玉県 | 117 | |
| 19 | 山形県 | 412 | 43 | 高知県 | 96 | |
| 20 | 山口県 | 404 | 44 | 滋賀県 | 86 | |
| 21 | 岩手県 | 393 | 45 | 徳島県 | 82 | |
| 22 | 広島県 | 374 | 46 | 奈良県 | 77 | |
| 23 | 鳥取県 | 363 | 47 | 沖縄県 | 22 | |
| 24 | 石川県 | 330 |
大分5,094本、沖縄22本、全国平均594本
大分県5,094本、鹿児島県2,735本、北海道2,249本、全国平均594本、最下位沖縄県22本。1位と最下位で231倍、1位と2位の差だけで1.86倍。同じ日本列島の地下から、これだけ違う温泉資源が湧いている。火山帯の走る道筋と、源泉数のランキングは、ほぼ重なって見える。
温泉地の数(観光地としてのまとまり)で見ると、1位北海道226、2位長野193、3位新潟135とランキングは別の顔を見せる。大分県は温泉地数では63で6位だが、1地点あたりの源泉数が圧倒的に多い。「数」と「地区の広がり」は別の指標で、両方を合わせて初めて日本の温泉地図が見えてくる。
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データ出典: 環境省「温泉利用状況」(令和6年度・令和7年3月末現在)



