緑茶(茶葉)の支出額1位は静岡市7,697円、2位浜松市。静岡県が上位独占、全国は17年で約-37%。

緑茶(茶葉)の支出額1位は静岡市7,697円、2位浜松市。静岡県が上位独占、全国は17年で約-37%。
緑茶の名産地といえば、静岡。家計調査の支出額で、その「茶どころ」イメージを数字で見ると、想像以上に際立つ。
本記事の「緑茶」は家計調査の品目分類における「緑茶(茶葉)」を指す。家庭で茶葉を購入して淹れて飲むものの金額で、ペットボトル等の「茶飲料」は別品目として集計されており、ここには含まれていない。
直近3年(2023〜2025年)平均で、都道府県庁所在市及び政令指定都市の緑茶(茶葉)支出額を並べると、1位は静岡市の7,697円。全国平均3,187円の2.42倍にあたる。
驚くのは2位。同じ静岡県の浜松市が5,804円で続き、静岡県内の2都市が全国1位2位を独占している。3位の宮崎市5,266円、4位の佐賀市4,648円、5位の長崎市4,635円と、上位5都市のうち4都市が西日本・九州南部の都市。関東・東北は上位には顔を出さない。
一方で、全国平均の緑茶支出額は17年で大きく減った。2007〜2009年の5,034円が、2023〜2025年には3,187円。約37%の減少にあたる。茶どころの静岡市でさえ、2007年の10,555円から2025年には5,304円へと、ほぼ半減している。
緑茶(茶葉)の支出額1位は静岡市、2位は浜松市

上位10都市を並べると、静岡県の突出が見える。
| 順位 | 観測都市 | 3年平均支出額 |
|---|---|---|
| 1位 | 静岡市 | 7,697円 |
| 2位 | 浜松市 | 5,804円 |
| 3位 | 宮崎市 | 5,266円 |
| 4位 | 佐賀市 | 4,648円 |
| 5位 | 長崎市 | 4,635円 |
| 6位 | 川崎市 | 4,190円 |
| 7位 | 横浜市 | 4,117円 |
| 8位 | 宇都宮市 | 3,857円 |
| 9位 | 鹿児島市 | 3,811円 |
| 10位 | 水戸市 | 3,759円 |
静岡市の7,697円は、2位浜松市の約1.33倍、3位宮崎市の1.46倍。1位と2位が同じ県内という構図は、家計調査の品目でもそれほど多くない。
3位以下は宮崎・佐賀・長崎・鹿児島と九州の都市が並び、関東の川崎・横浜・宇都宮・水戸がこれに続く。西日本・九州南部で緑茶の支出額が厚く、北日本・東北は比較的薄いという地域配分が見える。
なぜ静岡県の2都市が並ぶのか
静岡県は日本の緑茶生産量でも長く1位を維持してきた。県内には茶産地として有名な牧之原、川根、本山、清水、菊川などが広がり、静岡市と浜松市は両方とも茶産地に近接している。
地元の茶商・小売店の密度が高く、贈答用・日用向けの幅広い商品が手に取れる環境にある。普段から緑茶を購入する頻度が高く、価格帯の選択肢も広い。家計調査は「支出額」を測る統計なので、こうした身近さがそのまま数字に反映されている可能性がある。
浜松市も同県内で、同じような流通・購入環境を共有している。1位と2位がわずかな差で並ぶ状況は、県全体の「緑茶を日常的に買う文化」が広く根付いていることを示唆している。
最下位は那覇市の1,246円
下位を見ると、南北の末端に位置する都市が並ぶ。
| 順位 | 観測都市 | 3年平均支出額 |
|---|---|---|
| 49位 | 鳥取市 | 1,604円 |
| 50位 | 高知市 | 1,573円 |
| 51位 | 那覇市 | 1,246円 |
最下位の那覇市1,246円は、1位静岡市7,697円の約16%。差は6.2倍にのぼる。沖縄では緑茶よりもさんぴん茶(ジャスミン茶)を日常的に飲む文化が広く残っており、家計調査における「緑茶」の支出額が相対的に低く出ている可能性がある。
鳥取市や高知市も下位に並ぶが、背景は地域ごとに異なる。気候・贈答文化・茶産地との距離など、複数の要因が絡んでいると考えられる。
全国で進む緑茶離れ、17年で約-37%

緑茶(茶葉)の支出額は、長期的に減少している。全国平均は2007〜2009年の5,034円から、2023〜2025年には3,187円へ。約37%の減少だ。
静岡市に限って見ても、2007年は10,555円、2015年は11,533円、2023年は10,124円、2025年には5,304円。直近2年で大きく下げ、ピーク時のおよそ半分に落ちている。
背景として、ペットボトル入りの緑茶飲料へのシフトが一つ挙げられる。家計調査で「お茶飲料」は別品目として集計されており、そちらに支出が移っていると、リーフ(茶葉)の支出額は減る。また、コーヒー・紅茶・ウーロン茶など飲料の選択肢が広がったことも影響している可能性がある。
「緑茶といえば静岡」という地理的偏りは保たれているが、全国で「家でお茶を淹れる」習慣そのものが縮んでいる。
全52観測都市ランキング
家計調査では、都道府県庁所在市と政令指定都市の合計52観測都市を比較できる。
| 順位 | 名称 | 2023〜2025年平均 | 順位 | 名称 | 2023〜2025年平均 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 静岡市 | 7,697円 | 27 | 山形市 | 2,756円 | |
| 2 | 浜松市 | 5,804円 | 28 | 前橋市 | 2,753円 | |
| 3 | 宮崎市 | 5,266円 | 29 | 新潟市 | 2,733円 | |
| 4 | 佐賀市 | 4,648円 | 30 | 秋田市 | 2,630円 | |
| 5 | 長崎市 | 4,635円 | 31 | 福島市 | 2,611円 | |
| 6 | 川崎市 | 4,190円 | 32 | 札幌市 | 2,560円 | |
| 7 | 横浜市 | 4,117円 | 33 | 盛岡市 | 2,501円 | |
| 8 | 宇都宮市 | 3,857円 | 34 | 金沢市 | 2,498円 | |
| 9 | 鹿児島市 | 3,811円 | 35 | 大津市 | 2,452円 | |
| 10 | 水戸市 | 3,759円 | 36 | 福井市 | 2,426円 | |
| 11 | 熊本市 | 3,741円 | 37 | 神戸市 | 2,423円 | |
| 12 | 千葉市 | 3,648円 | 38 | 山口市 | 2,278円 | |
| 13 | 福岡市 | 3,616円 | 39 | 岐阜市 | 2,264円 | |
| 14 | 相模原市 | 3,474円 | 40 | 堺市 | 2,255円 | |
| 15 | 北九州市 | 3,452円 | 41 | 青森市 | 2,231円 | |
| 16 | 東京都区部 | 3,444円 | 42 | 和歌山市 | 2,179円 | |
| 17 | 津市 | 3,345円 | 43 | 高松市 | 2,159円 | |
| 18 | 長野市 | 3,264円 | 44 | 富山市 | 2,113円 | |
| 19 | 仙台市 | 3,180円 | 45 | 大阪市 | 2,074円 | |
| 20 | 京都市 | 3,176円 | 46 | 松山市 | 2,071円 | |
| 21 | 大分市 | 3,164円 | 47 | 広島市 | 1,951円 | |
| 22 | 松江市 | 3,014円 | 48 | 徳島市 | 1,868円 | |
| 23 | 甲府市 | 2,966円 | 49 | 岡山市 | 1,833円 | |
| 24 | さいたま市 | 2,942円 | 50 | 鳥取市 | 1,604円 | |
| 25 | 奈良市 | 2,902円 | 51 | 高知市 | 1,573円 | |
| 26 | 名古屋市 | 2,766円 | 52 | 那覇市 | 1,246円 |
静岡7,697円、那覇1,246円、全国は17年で約-37%
静岡市7,697円、浜松市5,804円、全国平均3,187円、最下位那覇市1,246円。1位と最下位で6.2倍、全国平均の2.42倍で静岡が首位に立つ。そして全国は17年で約37%の減少。茶どころ静岡の1位2位独占という地理は揺らがない一方で、日本の食卓から緑茶の葉が少しずつ退いている。地図の縦軸と横軸で、違う変化が同時に起きている。
もっと詳しく
データ出典: 総務省「家計調査」(2007〜2025年・3年平均使用・二人以上の世帯・都道府県庁所在市及び政令指定都市)



