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2023-2025年平均(3年平均)

食パン支出額1〜5位は、すべて近畿圏の都市だった。1位神戸市14,550円。

公開日: 2026-05-06
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食パン支出額1〜5位は、すべて近畿圏の都市だった。1位神戸市14,550円。

食パン支出額1〜5位は、すべて近畿圏の都市だった。1位神戸市14,550円。

食パンをよく買う地域はどこか。家計調査の数字は、かなりはっきりした答えを見せる。

直近3年(2023〜2025年)平均で、都道府県庁所在市及び政令指定都市の食パン支出額を並べると、上位5都市は神戸市14,550円、奈良市12,998円、京都市12,914円、堺市12,703円、大阪市12,669円。1位から5位まで、すべて近畿圏の都市だった。

全国平均は10,713円。1位神戸市はその1.36倍、最下位の宮崎市8,498円とは1.71倍の差がある。

1位神戸、2位奈良、3位京都、近畿圏が上位5を独占

食パン支出額ランキング 2023-2025年 3年平均

上位10都市を並べると、近畿圏の5都市の後ろに、四国・中国・北陸が続く。

順位 観測都市 3年平均支出額
1位 神戸市 14,550円
2位 奈良市 12,998円
3位 京都市 12,914円
4位 堺市 12,703円
5位 大阪市 12,669円
6位 高知市 12,576円
7位 富山市 12,520円
8位 松江市 12,415円
9位 高松市 12,410円
10位 広島市 12,085円

1位神戸と2位奈良の差は1,552円。2位以降は密集していて、2位奈良12,998円から6位高知12,576円までの幅は422円しかない。神戸だけが頭ひとつ抜けていて、2〜5位の近畿4都市と、6位以下の西日本・北陸がほぼ同じ帯域にまとまっている。

11位以下も和歌山市12,050円(近畿)が続き、近畿圏が上位の大部分を占めている構図が見える。近畿6県の県庁所在地・政令指定都市(神戸・奈良・京都・大阪・堺・和歌山・大津)のうち、大津市19位を除く6都市が全て11位以内に入る。これほど1つの地方が厚く並ぶ品目は、家計調査の中でも限られる。

なぜ近畿圏で食パンが多いのか

近畿圏、特に兵庫・大阪・京都は、明治期から港湾貿易で小麦粉や洋菓子文化が早く入ってきた地域だ。神戸市は日本に現代的な食パン文化を広めた先駆けとされ、明治・大正期から洋風のパン屋が開業してきた。

地元には食パン専門店、老舗パン屋、地域チェーンが密集しており、スーパーの売り場でも食パンの占有率が高い。朝食・昼食に食パンを取り入れる世帯が多く、購入頻度と単価の両方で上位を維持していると考えられる。

奈良市・京都市・堺市・大阪市も、同じ近畿圏として同等の食文化を共有している。家計調査の数字に「近畿の朝食は食パンが多い」傾向がそのまま現れているように見える。

興味深いのは、上位10都市の中で近畿圏に入らない6位の高知市、7位の富山市、8位の松江市、9位の高松市、10位の広島市も、近畿と同じ12,000〜12,600円帯にまとまっている点だ。西日本と北陸の都市が、近畿を追う位置に並んでいる。パン文化の厚みは、近畿を中心に西日本に広く分布しているとみて良い。

最下位は宮崎市の8,498円

下位には九州・東北の都市が並ぶ。

順位 観測都市 3年平均支出額
50位 福島市 8,618円
51位 秋田市 8,532円
52位 宮崎市 8,498円

最下位の宮崎市8,498円は、1位神戸市の約58%。差は1.71倍にとどまるが、近畿との「厚み」の違いが見える。

宮崎・福島・秋田・熊本・前橋・山形など、下位には東北・九州・北関東の都市が並ぶ。米食文化が相対的に厚い地域では、朝食の主役がご飯・味噌汁・納豆になりやすく、食パンの出番が少ない家庭が多いという見立てはシンプルに成り立つ。

とはいえ、最下位宮崎市8,498円は全国平均10,713円の約79%で、「食パンを買わない」というよりは「近畿ほどは買わない」というレベル。全体として、食パンは日本の全世帯が買う品目ではあるが、近畿で厚く、北日本・南九州で薄い、という均等からのズレが残っている。東北勢では山形46位・盛岡49位・福島50位・秋田51位と軒並み下位に沈み、先に納豆で上位独占だった東北勢が、食パンでは逆に下位グループを形成している。朝食が主食のどちらに寄っているかで、統計の並びが表裏に入れ替わる現象が見える。

全52観測都市ランキング

家計調査では、都道府県庁所在市と政令指定都市の合計52観測都市を比較できる。3年平均ランキングには相模原市を含む全52都市を並べた。

順位 名称 2023〜2025年平均 順位 名称 2023〜2025年平均
1 神戸市 14,550円 27 宇都宮市 10,398円
2 奈良市 12,998円 28 静岡市 10,351円
3 京都市 12,914円 29 津市 10,231円
4 堺市 12,703円 30 浜松市 10,063円
5 大阪市 12,669円 31 仙台市 10,030円
6 高知市 12,576円 32 長野市 9,985円
7 富山市 12,520円 33 北九州市 9,902円
8 松江市 12,415円 34 水戸市 9,800円
9 高松市 12,410円 35 松山市 9,715円
10 広島市 12,085円 36 福岡市 9,702円
11 和歌山市 12,050円 37 長崎市 9,654円
12 横浜市 11,844円 38 青森市 9,621円
13 岐阜市 11,821円 39 甲府市 9,410円
14 名古屋市 11,807円 40 佐賀市 9,376円
15 東京都区部 11,806円 41 札幌市 9,366円
16 金沢市 11,794円 42 福井市 9,334円
17 鳥取市 11,699円 43 大分市 9,275円
18 さいたま市 11,636円 44 鹿児島市 9,134円
19 相模原市 11,606円 45 那覇市 9,129円
20 大津市 11,451円 46 山形市 9,119円
21 川崎市 11,112円 47 前橋市 9,075円
22 新潟市 11,101円 48 熊本市 8,983円
23 岡山市 11,096円 49 盛岡市 8,716円
24 山口市 11,069円 50 福島市 8,618円
25 千葉市 11,055円 51 秋田市 8,532円
26 徳島市 10,766円 52 宮崎市 8,498円

神戸14,550円、宮崎8,498円、全国は17年で+23%

食パン支出額の推移 2007-2025年

神戸市14,550円、宮崎市8,498円、全国平均10,713円。1位と最下位で1.71倍、上位5位までが近畿圏で独占。全国平均は2007〜2009年の8,692円から23%増え、全国的に食パン消費は伸びている。その中で、近畿圏の「食パン文化」は全国平均を1〜4割上回る厚みを保ち続けている。近畿で朝食に食パン、東北で朝食に納豆。日本の朝の食卓は、地図の上で見るとはっきり分かれている。


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データ出典: 総務省「家計調査」(2007〜2025年・3年平均使用・二人以上の世帯・都道府県庁所在市及び政令指定都市)

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